アイツって誰だよ
さてさて、王宮へ3人は戻る。
「フィリア、部屋に戻ったら気ぃ抜いてもいいからな」
「う、ん?そーだねー」
フェカに支えられてヘラッと笑ったフィリアを見てライラはつい叫ぶ。
「…もうすでに気を抜いているようにしか見えない!?」
「うるさい。魔力を体にめぐらせて呪詛が回らないようにしてんだから、気は抜いてねぇだろ?」
「…さようですか」
「ライラも、フェカも、そうやって喧嘩しないの。呪詛ねぇ…。あ、そういえば、あの3人放置しちゃったけどいいのかな?」
3人を放置したまんまだったことに気付いたフィリア。
「ライにでも言っときゃ、捕まえてくんだろ」
「忘れないようにしてね?」
「忘れるかもなぁ」
人の悪い笑みを浮かべたフェカにライラがボソリと。
「…放置プレイ」
「違うだろ!?」
「違うよー?別にフェカのことなんて言ったわけじゃないしー?」
「おまっ!覚悟しとけ!!」
ニヤッと笑ったライラへフェカは指を突き付けて宣言する。
「…何を?」
「なんかを。ホラ、フィリア。部屋着いたから、寝ろよ」
「うんー」
フィリアをベッドに寝かせ、フェカは椅子を引っ張り出して、座る。
「ってか、最初からフィリアの部屋にワープしてりゃよかったんじゃないの?」
「うるせぇ!」
「うるさいのはフェカですよーだ!!」
「けっ。そんなんだから、馬鹿男にしかもてねぇんだよ!」
「あ、何々?妬いてんのー?」
「ちげーよ!?どっからその発想が出てくんだよ!?」
ギャンギャン騒ぐ2人をフィリアはジーと見つめる。
「…フィリア?」
「んー?」
「ゴメン、うるさかった?」
「ん?フフフー」
「…フェカがうるさかったねー?」
「ん―――ん」
ライラの悪戯心満載の問いにフィリアはしっかりとうなずいた。
「おい!?なんで俺のせいなんだよ!?ってか、フィリアもさっさと気ぃ抜いて記憶喪失になっちまえ!!そうしねーと呪詛解こうにも解けねえだろ!」
「んー。わかった。じゃあ、おやすみなさい」
「おぅ」
クーと寝息を立てて眠るフィリアを2人で眺めていると。
「オイ」
レオが部屋に入ってきてライラの肩をつかんだ。
「のぁ!?…ってレオか。え、レオ!?なんでここに!?」
「フェカから連絡が来たからに決まってんだろ?そんで来てみりゃなんだよ、仲良さげにフェカと2人きりで?俺はフィリアと滅多に2人だけになれないのに!?」
「…フィリア、いるんだけど」
なんか嫉妬してるレオにライラが一応言ってみる。
「寝てたら2人と変わんねーだろ」
「あっそう…」
「で?なんでフィリアが呪詛食らう羽目になってんのか教えてくれない?」
「うー…手っ取り早く言うと、私のせい?」
ニコと笑ったレオが怖くてライラは目を逸らして答える。
「へぇ。ふぅん、殺されたいんだ?」
「落ち着こうか、レオ」
殺気を放ちだしたレオをフェカが宥める。
「俺は今が一番落ち着いてるね。ああ、そうだよ。こんなの、アイツに引っ付かれるのとか、父さんが消えうせたのとかに比べれば、マダましだね」
「のくせには拳が震えてますけど?」
「殴 ら れ た い か ?」
指摘したライラへレオは一音一音区切って問いかける。
「いいえ!?」
「アイツって…ああ、アイツか」
レオが放ったアイツが誰なのか考えていたフェカは合点が言ったようで一人うなずく。
「そうだよ、アイツだよ。今も抜け出すのが大変で!…で、フィリアはどうなんだ?」
「んー、おそらく精神年齢8歳」
「…了解」
「あ、全部記憶が消えるわけじゃないんだ」
「当たり前だ。そんなことはしない。ってか、全部消えたらつまらねぇ!」
「つまらなっ!?」
「うん?」
驚いたライラに驚いたフェカが首をかしげる。
「…もしかしなくても、ワザとでしょ」
「え、そうだけど…気づかなかったのかよ!?」
「気づくかボケェ!!」
「…ライラ、コイツには何を言っても無駄だ」
全力でツッコミを入れたライラへレオがため息をついて教える。
「…そうかも」
アイツはのちのち本編で出てきます。
楽しみ?にしていてください。
・・・出てくるまでに時間がかかると思いますが。




