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兄ちゃんは異世界人? 突然「強くなってくれないか?」ってお願いされた!  作者: 茶さくら
幼少編

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情報収集 (ザックSIDE)

 村に1人しかいない、魔法スキル保持者のおじさんの、経験談に心が折れかけて数日。




 なんとかノルン成分の補給で自分を保ち、されど母さんと姉さんに、外へ追い出され、あんまりテンションの上がらないまま、お散歩&情報収集を続けたり、ケビン兄さんが落ち込み気味の僕を励ます為の、ありんこ行列見学に付き合ってたりする中で、なんとなく落ち着いてぼーっと考えていた。




 努力しても結果が出ないんじゃなぁ。頑張りまくっても報われるとは限らないもんなぁ。


と。おじさんの寂しそうな笑顔を思い出しながら想像してみた。


 きっとあんな事やこんな事を必死にやったんだろうなぁ、なんて考えてる時に。




 ・・・んん?? おじさんがどんな努力したなんて内容までは聞いてないな。


 あれ?実はたいして努力なんてしてないんじゃないの?




 やるぞ、やるぞ詐欺で、夏休みの勉強計画を細かく分刻みで立てて、それで満足して3日坊主で終わったパターンなんじゃないの?


 なんて、おじさんに大変失礼な考えが浮かんだ。


 いや、そんな移り気じゃ、根気のいる農家なんてやれないだろうなぁ。


 なんてモヤモヤ考えて、もう面倒だからもう一回聞きに行こうって事にした。




 結果、想像とは違ったけど、まぁ当たらずとも遠からず。


 おじさんは、[授能]の日に[土くれ]を授かった翌日、高いテンションのまま、[土くれ]を使って家族に見せびらかしたらしい。連続で。




 すると3回目を立ったまま使って、家族の前でバタンと倒れて頭を打ち、そのまま家族が呼んでも起きなかったらしい。


 家族は、もう大あわてで、近所の人とかまで集まるような状態だったって。




 おじさんも、こことは違う農村の出身で、この村とたいして変わらず、魔法の存在は知ってても、魔法に詳しい人なんかいなかったんだって。




 2時間後にやっと起きたおじさんは、家族に大変しかられたらしい。


 もうこんな危ない真似は2度とするなと。


 おじさんも、魔力枯渇は危険だって認識して、頑張りたいけど魔力枯渇はやばい。


 なんとなく3回目でヤバいって感覚はあったから、家族に2度と倒れないから、努力させてくれって言って、15の成人まで、毎日、1日も休まず1~2回使ってたんだって。




 まぁ、なんとなくおじさんや家族の気持ちもわかるから




「うわぁ!おじさんすごーい!一日も休まなかったの!えらーい!」




と小さいお手々で一杯拍手してあげた。





 しかしですよパイセン!


 異世界先輩諸兄を努力の参考書とさせて頂いてる、わたくしといたしましては、もちろん心の中で叫びましたよ。




「なめとんか、こらぁ!!!こちとら、1歳手前から最低1回毎日気絶しとるわ!! 訓練とか努力とか以外にも、姉ちゃんの監視終わらせる為に便利気絶までしとるっちゅうねん!」




「何1回気絶したとか、親に怒られたとかで辞めとんねん! 


お前は現代日本のハラスメントナイーブか! 


こちとら、親に意味さえ理解させずに、衛生管理の鬼軍曹で、泣き叫んで押し通す2歳児やぞ!」




「俺のローテンションの数日間返せや!」


とね。




 異世界先輩諸兄なら、わかってくれますよね。


良く言ったって言ってくれますよね。




 たぶん魔力枯渇の魔力量増加を、1回しかやってないおじさんは、500回以上やってるだろう僕に、魔力量で負けてると思う。




 その後、高いモチベーションを取り戻した僕は、ノルン成分を補給しながら、魔力循環、身体強化、魔力枯渇を繰り返しながら努力を続け、[身体強化]については先輩諸兄おすすめの、部分強化にも取り組んだ。




 もちろん、お散歩での足腰強化、半知識層の兼業のおじさん、おばさん達とのニコニコ幼児コミュニケーションも継続した。




 狩人のおじさん達には、はじめて弓という武器を所持している事を知り、「みせてぇ、みせてぇ」攻撃を断られても諦めず、「罠ってどんなの?」と話題変更し、僕でも出来そうな、くくり罠の作り方を得た!


(罠3級資格を得たと考えていいだろう)




 木工のおじさんには、キラキラお目々で「かっこいいね!とがってるね!すごーい!」と褒め殺しで、のこぎりやミノの様な、鍋や農具以外の鉄製品を見せてもらい、それが子供じゃ手に入らないぐらい高級品だと教えられた。




 諦めは早い方が、別案に変更できる!先輩諸兄おすすめの魔物素材と黒曜石辺りも視野に入れようと心にメモ。




 樵兼炭焼きのおじさんには、「すごい筋肉だね!切れてるよ!肩にメロンが成ってるよ!」とボディビル会場の様に声援し、初めて殺傷能力のある斧を見せてもらってドキドキ! 




 ついでに炭って、脱臭とか吸湿とか燃料以外の用途もあったよなって、「炭って燃やすだけなの?」とかわいく聞いてみれば、やだねバカなガキはって目で「炭は燃やすもの」と冷たく言われて、(いやお前がな)と心で思いながら、ニコニコフェイスをキープ。


一応炭の作り方も聞いておいた。




 産婆兼薬師もどきのおばちゃんには、本気でノルンの出産を手伝ってくれた事の感謝を伝え、いかにノルンが素晴らしいか、愛らしいかを20個ぐらい熱弁していると、眠そうな目をしやがるので


(集中力が足りないんじゃないの?ノルンの話は、もっと耳かっぽじって、前のめりに聞かないと!ダメな大人だねぇ)


と心で教育的指導をして薬の話を振った。




「秘伝だよ」と見せてくれた黒い丸薬を見て


(いや、それ虫下しなの?寄生虫いるのかよ!)


と心でつっこみ、


「傷薬だよ」って見せてくれた葉っぱをすりつぶした様なやつは


(いや、それドクダミ系のやつだろ!匂いでわかるわ!どこでも生えてて誰がすりつぶしても一緒のやつじゃん)と再度心つっこみを入れた。


「この2つだけだね」のセリフには(いや2つだけかよ!それも1つはどこでもあるし、薬師もどきにも届いてないよ!もっとポーション的なやつに、かするぐらいしろよ!)


とラストつっこみ!




見事につっこみハットトリックを達成し、ニコニココミュニケーションを終えた。





 いやぁ、テンション高いと捗る気がするわ。


 たいしたことない内容でも、他がさらに薄味だから、日の丸弁当の梅干しの様に濃く感じるわ!




 まぁ、もういいかなって気もしないでもないけど、魔法おじさんみたいに、もう一度聞けば違う気づきも得られるかもしれないから、兼業カルテット訪問は継続して行こう。




 彼らには、某有名バーガーチェーンの様に、僕の幼児ニコニコスマイルを無償で提供するから、お返しにお得な情報サンキューセットを提供して欲しい。


 素晴らしく子供に公平な取引だと思う。





 そんな感じの活動を続け、年が明けて僕は3歳、ノルンは1歳になった。


 ノルンはハイハイという負荷のかかる苦行をクリアし、「あー」とか「うー」とか言いながら、つかまり立ちという2足歩行にチャレンジしてる。


 なんと立派な事か!




 そんなノルンの努力に、兄ちゃん負けてられないと、僕も努力を継続し、とうとうやりました! 




 異世界先輩諸兄おすすめの、身体強化の目の部分強化が出来るようになりましたよ。


 パイセンあざーす!!!




 さて、兎見学の準備は整った!!

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