第13話 魔王アスモダイオスの来訪
サマエル魔王国には、まだロックたちしか到着していなかった。他の国の魔王が到着するまでロックたちは待つしかない。ユキコは補佐官のリリムと話を続けて友好の糸口を探っている。
サタナキアは退屈してサマエルに戦いを挑むが、サマエルは今回は話をするために集まるのだから戦いはしないと言って相手にしない。
ロックは日課の訓練を欠かさずにしている。リースはロックに呆れながらも剣術の訓練を手伝っている。この剣術の訓練にタダツグが頭を下げて参加する。
タダツグはロックとの剣の訓練にボロボロになるが音を上げない。そして、ロックの打ち込みに対応するようになる。タダツグは訓練に参加してロックと基礎体力で大きな差があることに気づいて、基礎体力の訓練を地道に続けた。サタナキアはロックが訓練をしていることに気づき、参加を申し込む。ロックがサタナキアに言う。
「僕たちは弱いから訓練をしているんですよ。」「我には必要ないのか。」
サタナキアの問いにリースが答える。
「そちは元々魔力が大きいからコントロールが大雑把じゃ。訓練するなら魔力のコントロールが良かろう。」「そうか、礼を言うぞ。」
サタナキアはロックと夕食後、魔力の訓練をすることになる。ロックが集中して巨大な火球を作りだす。そして、火球を収束させていく、バレーボールほどの大きさになるがロックの集中力が続かない。ロックは火球を空に打ち出して、地面にへたり込む。
見ていたサタナキアが言う。
「ファイヤーボールはこうするのだ。」
サタナキアが右手を上げると頭上に巨大な火球が出来るがロックのものより明らかに熱量が大きく煌々と輝いている。サタナキアが右手を握ると火球はソフトボール位の大きさになる。
ロックはまずいと思う。爆発すれば王都が吹き飛ぶに違いない。ロックは叫ぶ。
「危ない。空高くに投げ捨てて。」「うむ、そうか。」
サタナキアは空高くに火球を飛ばす。火球はかなり上空で爆発する。しかし、大きく膨れ上がり、雲を消しとばし、衝撃波が王都を襲う。王都は地震が来たように揺れる。
これに魔王サマエルは怒り、ロックとサタナキアは正座してサマエルの説教を聞くことになる。
しばらくして、アスモダイオス魔王国から魔王アスモダイオスと同行者のアモンが到着する。
サマエルはアスモダイオスと挨拶をするとロックたちを紹介する。アスモダイオスがロックに質問する。
「貴公の国に我が国の7魔候の1人カスピエルが来訪しなかったか。」「確かに来ましたが非常に好戦的でした。」
「カスピエルならそうであろう。死んだか。」「我が国の四天王、炎神パイロウスと戦って負けたのです。」
「炎神パイロウスは強者であったか。」「はい、魔法では凄腕です。」
そこへアモンが言う。
「私は決闘を望みます。ロック様お相手をお願いします。」「お待ちなさい。国王に挑戦するなど無礼ですよ。我が相手をしましょう。」
リースが割り込んで決闘を受ける。それを聞いていたサマエルが怒り出す。
「そちたちはなぜそんなに戦いたがる。ここは我の国ぞ。勝手な真似は許さん。」「魔王サマエル、決闘の許可をお願いします。」
「ならん、ならん。そんなにしたければ国の外でやれ。」「・・・・・」
サマエルの勢いにアモンは黙り込む。アスモダイオスがアモンに言う。
「アモン、そなたまで失うわけにはいかない。こらえよ。」「私が負けるというのですか。」
「あれは剣姫アンネリースだ。命を落とすぞ。」「剣姫、はっ、こらえます。」
アモンから冷や汗が流れる。アスモダイオスがロックに聞く。
「カスピエルの最期を教えてくれないか。」「王都の外でカスピエルはパイロウスと一騎打ちをしました。パイロウスはファイヤーボールを撃ちこんで、カスピエルは魔力障壁で防ごうとしましたが高熱で蒸発しました。」
「カスピエルは何もできずに負けたのか。」「パイロウスのファイヤーボールの威力が大きかったのです。」
「そうか。」
アスモダイオスは天を仰ぐ。




