第11話 サマエル魔王国の王都に入る
ロックたちはサマエル魔王国の王都に到着する。ロックたちが門に近づくと門兵は慌てて門を閉じ始める。他の兵はラッパを吹いて異常を知らせる。ロックは兵の慌てように驚く。
「何を慌てているんだい。」「間にか異常事態が起こったんだろう。」
サタナキアが答える。
「そうだね、この国の人たちは臆病みたいだから、僕らの気づかない異常があったのかもしれないね。」「まあ、そんなところだろう。」
「ロック、僕たちで解決したら感謝されるかもしれないぞ。」
タダツグが提案する。そこへリースが今さらのように言う。
「お前様、もしかして、サタナキア様の魔力がもれていることが問題なのではないか。」「あっ。」「えっ。」
「皆も忘れておったか。」「これって僕たちが警戒されているのか。」
城門の上から兵の責任者らしき者が大声で言う。
「そこの6人組、我が王都に襲来した用件を聞きたい。」「我はサタナキア、呼ばれて参じた。門を開けよ。」
「魔王をかたるのか。弓兵、打ち方用意!」
サタナキアが答えると威圧感があり兵たちを追いつめてしまう。結果、兵たちは攻撃に転じようとする。リースが言う。
「ここは、我に任せなさい。私たちはサマエル・ラハブの招待に応じてきたのです。危害は加えません。信じられませんか。」
リースを見た兵たちは赤くなり戦意をそがれる。そして、兵が再度問う。
「招待を受けた者の名前を伺いたい。」「サタナキア・アンドラス、ロック、タダツグです。」
「しばし待たれよ。確認を取る。」「はい。」
リースは微笑んで手を振る。兵たちは先ほどと変わってリースを見て手を振ったりしている。ユキコは美人は得だと思う。しばらく待っていると兵から回答がある。
「大変失礼した。我らはあなた方を歓迎します。」
兵が門を開ける。ロックたちが門を通ると兵たちのざわつきが聞こえてくる。
「本当にすごい美人だ。」「どこの国の子かな。」
ユキコは男はどうしようもない生き物だと思う。
「もう1人の子もかわいいぞ。」
ユキコは表情を和らげてみる目のある男もいるのよねと思い直す。しかし、サタナキアの魔力流出問題は解決していない。通りに入ると人々は逃げ出し、店は休業になり、家の中の人は息をひそめる。
タダツグが言う。
「この国に来ておかしいと思ったら、サタナキア様のせいか。」「タダツグ、我とおまえは友だから呼び捨てでよいぞ。」
「済まない、サタナキア。」「うむ、それでよい。」
ロックたちは街のあっちこっちで阿鼻叫喚の地獄絵図を作りだしながら王城に近づいていく。魔王サマエルは街から聞こえる悲鳴を聞きながら言う。
「随分派手な登場だね。」「規制線を張った方が良かったでしょうか。」
補佐官リリムが言う。
「もう遅いよ。それに我が国の民にも良い経験だ。」「少々酷かと思われます。」
「サタナキア魔王国は隣国だ。隣国の王が来訪するたびにこれでは失礼だろ。」「しかし、サタナキア様の魔力の圧力は他の魔王を圧倒すると聞きます。」
「我もサタナキアの魔力に圧倒されると申すか。」「いいえ、サマエル様に限ってそのようなことはないと信じています。」
「リリム、そろそろリリスを引っ張り出してくれないか。」「お姉様からは私に一存すると伺っております。」
「あの引きこもりは、自分で提案しておいて引きこもり続けるつもりか。」「お姉様は、今回は出番がないと申しておりました。」
「仕方がない、リリム、うまくやれよ。」「はいサマエル様。」
サマエルとリリムは来客を迎える用意を始める。城の警備兵には、サタナキアの魔力にビビらないように厳命が来る。
ロックたちは街を恐怖のるつぼに落として王城に着く。門兵が緊張しながら言う。
「サタナキア様、ロック様、タダツグ様、お待ちしていました。どうぞ。」「感謝するぞ。」
サタナキアが言うと兵は思わず後ずさる。タダツグは門兵を見てかわいそうにと思う。門の中に入ると補佐官のリリムが立っている。
「ようこそおいで下さいました。このままだと城の者がパニックに陥りますので案内します。」「あなたがあの宰相リリスですか。」
リースが聞くとリリムが答える。
「私は補佐官のリリムです。リリスは只今引きこもり中です。」「リリス様は天才だと聞き及んでいましたので残念です。」
「姉のリリスは優秀ですが、只の引きこもりですよ。」「引きこもりですか。」「はいそうです。」
リースはリリスのことを残念に思う。
「では、ついて来てください。」
ロックたちはリリムの後をついて行く。途中兵とすれ違うが皆、緊張している。ロックがサタナキアに言う。
「もう少し魔力を抑えることはできませんか。」「できないことはないが危険なのだ。」
「危険?」「そうだ。気が緩むと爆発的に魔力が出て周りの物を破壊してしまう。」
「それはやめた方がいいですね。」「そうだろ。」
ロックたちはリリムの案内で大部屋に入る。そこには20歳代後半に見える金髪の美女がいた。




