第6話 サマエル魔王国の招待状
招待状は、コール神教国にも届く。教皇コンチヌスは招待状が魔王キーシリングあてになっているので戸惑う。するとコール神がコンチヌスに声をかける。
「コンチヌスよ。どうした心が乱れているぞ。」「それが、我が国に魔王キーシリング宛ての招待状が来たのです。この国に魔王などいるはずがありません。」
「その招待状は私が預かろう。」「魔王キーシリングとはいかなる者なのでしょうか。」
「気にせずともよい。魔王などコール神の前では無力よ。」「はい。」
コンチヌスはコール神に招待状を渡すと部屋を出ていく。招待状は魔王サマエルからである。コール神である魔王キーシリングは、「気が利かぬ奴め、なぜコール神あてにしないのだ」とむかつきながら招待状を開ける。キーシリングは各国の魔王の会見と知って、魔王ロックを見定めるチャンスだと考える。
サタナキア魔王国にも招待状は届く。サタナキアは宰相のイペスに言う。
「各国の魔王の会見だとつまらん。」「参加された方が良いと思います。」
「何を言っている。じっとして話などしていられるか。」「しかし、他国の魔王を知っておくのは必須です。」
「戦いをするのなら参加しても良いが、つまらんぞ。」「ご友人のロック様も参加されるでしょう。それに強い者がいるかもしれません。」
「うっ、そうだな。戦いをできるかもしれんしな。」「暴力沙汰は魔王サマエル様に迷惑をかけますよ。」
「かまわん、宰相のリリスが解決するだろう。」「そうですが・・・いえ、そうですな。」
宰相イペスは考えることを放棄する。あのリリスなら何とかするだろう。我が王が参加する気になっているのだからよしとしよう。
次にイペスはサタナキアの従者を選ぶことになるが難航することになる。皆、暴れるサタナキアの相手は無理だと逃げていく。イペスは魔族の中でも温厚なロキに従者を押し付ける。
「勘弁してくださいよ。私ではサタナキア様を抑えられませんよ。」「ついて行くだけでいい。なるべく丸く収めてくれ。」「そんな~」
ロキは泣きが入っていた。
ヴァルハラ王国にも招待状が届いていた。あて先は勇者タダツグである。タダツグは魔王サマエルの招待に悩む。タダツグはセリアに意見を求める。
「これは各国の魔王の集まりだよな。」「そのようですね。」
「僕は勇者だよ。なんで魔王の集まりに招待されるんだ。」「タダツグはヴァルハラ王国の王なんだから呼ばれたのではないかしら。」
「まあ、ロックも行くだろうから、行くしかないか。」「誰を連れて行きますか。」
「セリア、君は留守番だよ。外務大臣のユキコを連れて行くよ。」「留守番ですか。」
セリアは目でタダツグに訴えかける。タダツグはセリアのおねだりに耐え抜く。
「セリア、僕に何かがあったら、女王としてトウヤたちと国を頼むよ。」「連れて行って下さらないのですね。分かりました。留守はお任せください。」
セリアは自分の役目をしっかり自覚していた。
バシュラール魔王国は国境をヴァルハラ王国、コール神教国、イクブス魔王国と接していた。隣国であるイクブス魔王国にも招待状が届く。
魔王イクブス・アンドラスは、宰相のインクブス・アンドラスに言う。
「この招待、欠席しましょう。」「お姉様、出席すべきです。」
「私はこの国王よ。行きたくないからいいでしょ。」「どうして行きたくないのですか。」
「どうせキーシリングが来るわよ。あいつ、目つきがいやらしいから会いたくないわ。」「私がついて行ってお姉様を守りますから大丈夫ですよ。」
「本当、インクブス約束よ。」「はい、約束しますから出席しましょう。」
弟のインクブスが姉の魔王イクブスをなだめて、サマエル魔王国へ行くことになる。
バシュラール魔王国にも招待状が届く。各国の魔王が集まって会見するとあって、カールが会見の重要性を説明する。
「これはサマエル魔王国が各国の魔王の友好関係や力関係を知りたがっているということです。」
「そして、私たちも同様に友好関係や力関係は知っておきたいです。」
「特にコール神教国とイクブス魔王国の情報は必須です。ここはロックについて行くのは私がふさわしいです。」
カールは自分がロックに同行すると主張する。リースが言う。
「各国の魔王のことを知っているのは我だ。我ならロックに適切なアドバイスができる。同行にふさわしいのは我であろう。」
「リース様の言う通りです。リース様がいれば婿殿も心強いでしょう。」
フールがリースを応援する。カールは納得できないのでロックに振る。
「ここは、ロックに決めてもらいましょう。もちろん私なら適切にアドバイスができます。ロックどうしますか。」
「僕はリースと行きたいかな。と言うよりリースと離れたくないよ。」
カールはショックを受ける。女の色香に負けた。




