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哉カナⅡ/18歳  作者: カレーライスと福神漬
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トレジャーハント

「ゴールド・バグ〈Gold-Bug 〉だな!」


しおりのプレゼン噴火ふんかを聞き終えた、

チーフ脚本家のガミさん(橋上(はしがみ))は打てばひびく調子でこたえた。

たり!>

深ーく、うなずいて見せるDJアイドル。


乙骨(おっこつ)Pは、

ADに買いにやらせた、

マーメイドカフェのブラック珈琲〈のっぽサイズ〉を

つまらなさそうな顔で飲んでいた♨


腕時計をチラ見するマネージャー。

スケジュール時間の超過ちょうかを気にしつつも、

しおりと脚本家チーフとのやり取りに、

現状げんじょう、水をすべきではないと判断はんだん

(とつ)レン撮影現場との軋轢(あつれき) いたばさみに ━ 立ち向かう覚悟かくごを決めた!

もっともらしい言いわけを脳内創作(そうさく)しながら・・カフェラテをグビと飲む☕


┃ここにきて

 七尾ななおのマネージメントは、

 洞察(どうさつ)主観しゅかん脈動みゃくどうを開始。

 自我じが確立かくりつさなか(・・・)にあり、

 汐にとって、

 なくてはならない存在へと成長してきていた┃


汐は、MYバッグから、

付箋ふせん数枚の()られた

黒表紙の文庫本をり出し、

目的のページを開き、ひとみを輝かせる。

「この短編小説は〈はるか以前に〉著作権切れしているから、

版権はんけん使用料はかからない。

こなれている当翻訳版ほんやくばんタネほんにすればイケる。

・・描写もセリフもえているし」


「ふん!」鼻を鳴らす乙骨P。


ガミさんは、

おだやかな表情と口調でもって、

汐にいてゆく。

「うむ・・著作権に対してはたしかに問題はない。

ただねェ、翻訳権ほんやくけんというのも、存在するんだよ。

調べてみんことにはわからんが、

訳文をそのまんま放送にえるのは

むずかしいと考えるべきだ」


━━ いさがる汐。

「英語版の原本を脚本家チームで翻訳すれば可能では?

ガミさん、英文科出身なんでしょう?

ねェお願いよ、なんとかして」

汐はシャンプーするみたく、

両手を頭上でワサワサ動かした。

「もーう、イメージびんびん状態なの!

私の頭の中で、今にも踊り出しそう。

いいドラマにしてみせるから。約束する。」


乙骨Pが、

ひねりだまを投げてきた。

(しおり)(ぼう)よ!

作品の核心かくしんとなる暗号の問題は、どーするんだ?

(映像のともなわない)

音声ドラマってことを忘れてやしないか。

ムリ(すじ)な企画は流局りゅうきょくさせて、

いっそのこと、

(くれない) 天女(てんにょ)』でも目指めざしたらどうだい?」


Pの皮肉ひにくもの(・・)ともせず、

汐は、会心かいしんの笑みを放散ほうさんさせた。

「YouTubeと連動れんどうさせればOK。

ラジオばなれを食い止めようと、

いま、流行はやりでしょう?

それを利用しない手はない。

・・アクセス数もそこそこかせげると思う」


┃Pとガミさんは、

  盲点もうてんかれたような表情になり、

  しだいに・・ちしていった ┃


乙骨おっこつは、

ラジオというものは<音声勝負>という

かたい信念を持っており、

過去・現在・そして未来もらぐことはないと思われる。


営業部門からの

「『哉カナ』はYouTube放送も実施じっしして、

(有料メンバーシップ制を導入どうにゅう

 コアなリスナーをかこみ、

 もっともっと収益しゅうえきを上げるべき」

執拗しつよう要請ようせいを、

番組の実績をたてに、

拒絶きょぜつし続けてきた経緯けいいがある。

しかし・・

(あん)まとていると直感!

動画サイトと連動れんどうさせるにる、

大義たいぎ名分めいぶん内包ないほうしていた。


━━ アイキャッチする、Pとガミさん。

「この企画はイケるかもしれんゾ⚡」


チーフ脚本家はスマホのメモ機能を呼び出し、

DJアイドルにクエスチョン

━ 「登場人物は何人だったっけ、汐坊?」


指を三本立てるDJ 

━「主要人物はわずか三名。

<原作では全員男性のところを、

  狂言きょうげんまわしの役どころ(・・・・)だけ、

  女性に変更へんこうして欲しいの!>

  ほか・・犬が一頭(いっとう)。」


おっこっ(乙骨)ちゃん。

年末スペシャルのために積み立てた予算は、

かなりの割合で動画作成に回せそうだ」とガミさん。


Pが汐にたずねる

━ 「希望する共演者はいるのか?

   早いとこブッキングしなけりゃわん」


DJは、否定首をプルプル振った。

「私一人で演じるから、誰もいらない。

もち、犬の吼える声(ハウル)も引き受ける」と言うなり、

文庫本に目をマグネットさせ ━ 朗読(ろうどく)アクトを始めた。

(ガミさんはすかさず(・・・・)スマホにて録音)

┃汐は、

トランス変性へんせいするや・・

 三人三様(女&男二名)の(ヴォイス)に、

 原作の人格を付与ふよし、輪郭りんかくたせ、演じ分けてみせた。

 聴くものに、

   〈狂言きょうげんまわし〉

    〈主人公〉

      〈召使い〉

 それぞれの差異さいが、明瞭めいりょうに伝わってくる。

 おまけに、犬の()(ごえ)何通り(・・・)かまでを披露ひろうした┃


\汐マジックの発動 /に☆

呆気あっけにとられてしまう、

乙骨おっこつPとガミさん、七尾マネ。




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