トレジャーハント2
<小会議室にて>
┃Pとガミさん
そして七尾マネは
呆気にとられていた┃
汐のヴォイス・アクトは、
備わった才気に/欲求不満エネルギーMAX/を輻輳させ、
人の感覚を惑わせてしまう、
ガストフロントのような※
不意打ち・シェイプで・穿ってきたのだ⚠︎
━━ 目撃した三人は三様の感想を抱かされた。
◇ 汐の能力に賛嘆の念を禁じえない・・七尾マネ。
♤ アクロバティック表現に、うす気味悪さを覚えた・・乙骨P。
♧ 早熟にありがち、夭折危惧すら抱く・・ガミさんの老婆心。
各自の想いをよそに、
DJアイドルは、
人肌温度に下降した♨
キャラメルマキアートで口内を潤し、
のどを鳴らして「ゴクリ」飲み込んだ。
━〇━
さてさて・・
・・そもそも話に移りましょう。
七尾マネのホラーマニアぶりは読者もご承知のとおりである。
対して汐は
<宝探し譚>の隠れファンであった。
きっかけは・・
まだ無名時代に、
『埋蔵金を探せ!』なるセル専用DVDに出演したこと。
(初々しい汐坊が見れる今作は、
現在ではプレミアム価格が付き、
文字通り\お宝円盤化/している)。
フィジカルソフトは一部で好評を博し、少額の利益を上げ、
続編も立案・検討された、
しかし、諸事情により ✘ペンディング✘
後年・・
(映画『小さな太陽』の公開後)
企画が再浮上した際には、
すでに笹森 汐は人気者に名を連ねており、
聖林プロ側は、
映像制作会社に対し、
以前のギャランティーの十倍あまりを要求。
弱小制作会社には、とうてい支払える対価ではなかった。
続編のオファーを首を長くして待っていた汐の知らないところで、
企画は潰されていたのである。
当時のマネージャー左近は、
続編の出演依頼を、
タレントの耳には一言も入れなかった。
歴史のifをあれこれ言っても、詮無い話だが、
いくぶんタレント寄り傾向にある七尾マネであったならば、
違った対応になっていたかもしれない。
╏仮にパート2の出演が実現したとして、
~「それが果たして汐のキャリアに好影響をもたらしたか?」
そう問われれば、
~ 「不明である⁉」としか答えようがない。
ただしタレントは、さぞ喜んだことであろう、
ロケにも行けるし、宴会ありーの、うれPではないか (^_-)☆╏
・・ここいら辺りは、曰く言い難い「綾」と言える。
━〇━
汐本人は、
ラジオ番組『哉カナ』こそ、自分の居場所だと考えていた。
ブース内の専用チェアに腰掛け、
副調整室に待機しているスタッフの張りつめた視線を感じ、
乙骨Pによる本番の ━━ キュー出し!
カフ上げ
━━ オンエア。
アナログ式時計をチラ見しながら、
イヤフォンを通して送られてくる
指示やダメ出しを一閃咀嚼し、
放送台本と進行表に目を落とし、読解ing。
右脳と左脳を急往復〈または〉融合させ、
適宜アドリブを挟み、
ヒリヒリする時間の流れを体感しながら、
放送マイクに向かっていると、
なにものにも代えがたい、
(緊張と緩和のスピードボール)
得も言われぬメンタル昂揚にシフトしていけるのだ。
ときに・・
オブラートに包みながらも、
18歳・等身大の・本音を語り、
メールやハガキ、もしくは長文の手紙を読み上げ、
電波やネットを通じて、
リスナーと交歓していく時間は、
DJのみに与えられた至福といえる。
聴取者の知識や
体験談には教えられること多々あり❢
¦<電動ツメ削り>なる便利グッズをみつけた¦
¦〇〇が流行の兆しを見せている¦
¦とあるベーカリーの<パンあん>は おはぎより旨い¦
¦この菓子メーカーの新商品は結構イケる¦
¦チョコバットは、なかなか<当たり>が出ない¦
¦おまけピーナッツの入っていない餅太郎に遭遇した¦
¦キャベツ太郎は駄菓子の傑作である¦
¦コロナ禍を経てチューインガムはグミに完敗した¦
¦どこそこの<生クリームタイ焼き〈餡子無し〉♨>は美味しい¦
¦ビールはこの銘柄こそ至高
(コアなリスナーは汐のビール好きを先刻承知)¦
あるいは・・
某女子高の《コンビニグルメ同好会》からは、
【コンビニ中華まんベスト5】なる、
カラーイラスト付き書状が送られてきた。
♡好奇心を抱いたDJ汐は♡
一週間ばかりかけて、
多忙な仕事の合間を縫い、実食を行った。
次の週、フリートークで率直な感想を述べたところ、
これが意外な好評を博し、
ベスト5路線は速やかに確立され、
・・以後・・
【コンビニおでんの具】
【コンビニ唐揚げ・チキン】
【コンビニの調理&菓子パン】
【コンビニ珈琲(ラテ含む)】 。
そして、
コンビニPB商品である※²
【歌舞伎揚げ】&【ひねり揚げ】へと派生し、
やがて、
【コンビニPB飲料】【コンビニ弁当】にまで裾野を広げ
(なお、弁当の上げ底問題はスルーした)。
挙句、
各コンビニ会社の開発担当までが、
自薦他薦で番組に勢ぞろいするという場外乱闘にまで発展(快挙!) 。
この回のみ・・
乙骨Pもブース内に入り/DJ汐とタッグを組み、
ふたりの巧みな手綱さばきにより、
二時間ぶち抜き(放送ドラマや各コーナーは休止)、
良い時の『朝まで生テレビ』を想起させる、
ラジオ史に残るエキサイティングな論争へと至らしめ
・・リスナーを大喜びさせた。
━ 「コンビニベスト5」コーナーは、
ドラックストアやドンキまでも取り込み、
現在月イチ〈月末放送〉限定の人気コーナーとなっている。
┃幸い、コンビニ各社は、
『哉カナ』の提供スポンサーではないため、
忖度なし。本音勝負ができた┃
━ 余談を付言しよう ━
【コンビニおでんの具】部門で、
見事グランプリの座を獲得した
《チョコわぶ》の回は、
=͟͟͞͞ 聴取率調査週間にオンエア =͟͟͞͞ =
ゲストに、
BF社の宗像のり子を迎え、表彰式を実施。
ノリの良い宗像嬢はバッチリ番組を盛り上げてくれた。
━ 聴取率は同時間帯で断トツ!
radiko再生も笑いが止まらないほどのtimeを稼ぎ出した。
・・王者『日天』に肉薄する勢いであった。
※氷雨が降る直前に吹く冷たい風。
※²PB〈プライベート・ブランド〉商品とは、
コンビニやスーパーなどが独自開発した、
自社限定発売製品のことデス。




