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哉カナⅡ/18歳  作者: カレーライスと福神漬
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チーム里見|最終章

 

┃ just when! (=) そのときである!

  邸宅内をるがすほど、

  非常ベルの音が、

  けたたましく、耳をあっするほどに、鳴り響いた♪┃


=͟͟͞͞ =Bad(バッド)=͟͟͞͞ Vibration(ヴァイブレーション)=͟͟͞͞ =


サユリは・・

冷たくなった心臓を制御せいぎょしつつ、

一目散いちもくさんに書斎へ、ターン・ダッシュ!


やにわに、

書斎ドアが内側に引かれた!

瞬発しゅんぱつかせ、

ビュンと飛び出した天田氏 と サユリは正面衝突した。

\ドタン!バタン!/

二人共 <ドアの向こう側 と こちら側に> 派手に倒れ込んだ。


家政婦ときたら・・ワケもわからず・・

パニ(・・)くって・・ひたすら・・モブ化している!


天田氏は素早くサユリを抱き起し、

血走った目をき、叫んだ。

「やりおったんじゃ!

━ |渦巻うずまき୨୧ 凶事きょうじ|の畜生ちくしょうめ ━

まごへの盲点もうてん襲撃しゅうげきを!

桶狭間おけはざまを・・仕掛しかけておったんじゃ!」


つい、今しがた、

()頭痛への転換∞突き上げを食らった天田氏は、

痛みできしむ頭を両腕で押さえ、

吐き気にあらがうように、

食いしばった歯のあいだから、言葉をしぼり出した。


「では、この非常ベルは、

息子さん宅のエマージェンシー(緊急事態)を知らせるもの(・・)なんですね?」


「そうじゃ!火災警報じゃ!ワシは行かねばならん!」

・・頭を抱えながら、言葉をしぼり出した。


━ 消防車のサイレンの音がつらなり、せまって来る。


「ダメです!私が行きます!

天田さんは、ご自宅で待機たいきしていてください!」


「手を放しなさい!

ワシはどうなってもよい。

まごにだけは、指一本()れさせてなるものか!」

鬼神きしんがおをした依頼人は、

渦巻うずまき状にゆがんだサユリの視覚像へ、

うなるように言葉を放った。


「絶対に行かせません!」サユリはすがりつく。


「えりさんも・・言っていたではないか。

 守る一方ではなく、

 土壇場どたんばでは、

 ┃めに転じる┃ことも必要だと!」


日頃水泳できたえている天田氏は、

痩身そうしんの見かけを裏切る高い身体能力を発揮はっき

強引にサユリを振り切り、

またたく間に、玄関を飛び出して行った。

・・負けん気を発動したサユリは、

ギリッギリッと歯を食いしばって、 あとを追う!


自宅を飛び出して行った天田氏を追いかけるべく、

近くにパークしていたBMWのドライバーは、車を発進させた。

天田氏の走路をふさぐよう、前方へ急左折 ━ ブレーキをかける。


両の扉から姿を見せた、

┃里見と南平は┃

興奮の坩堝るつぼにある天田氏を取り押さえた。

一向いっこうに抵抗をめない御老体の鳩尾みぞおちヘ、

里見所長は・・一発の<>を放つ。


ズサッ!

その場に倒れ込んだ・・依頼人。


里見は、

BMWのキーを南平にほうり、

アフターケアをサユリたちにまかせ、

のように、

三軒さんげんとなりの火事場へと駆けて行った。


━━☽━━

自宅の寝室。

ベッドで目を覚ました天田氏。

彼を見つめる、お孫さんと母親、

そして サユリと南平、

・・さらにススだらけの里見所長。


「よかったね、ィーじ!」

バスタオルで頭をゴシゴシぬぐいながら、

まご海里かいりくんは祖父そふに呼びかけた。


長男の嫁が言葉を発した。

「我が家は、

 原因不明の出火におそわれたのです!

 (主人は事後処理中で、

  消防署の方と現場におります)

 買い物から戻ったら、

 家は煙を上げ、燃えさかっていました。

 息子を救おうにも、火勢かせいは強く、足がすくんで動けない・・

 こちらの里見さんが、

 危険をかえりみずに、

 この子を・・海里かいり・・を、

 火事場から救い出して下さったのです」


「お孫さんは、実にかしこい」

 里見は感心した様子で言った。

「水をった浴槽よくそう潜水せんすいしつつ、

 浴室前で・・

 おもちゃのパトカーのサイレンを鳴らし続けてくれていました♪

 おかげで、探す手間がはぶけましたよ・・」


天田依頼人は瞑目めいもくすると、

一筋ひとすじの涙を流し、深くうなずいた。

「<桂馬けいまび>現わる・・ですな。

 ありがとう里見さん。

 お陰さまで

 キレイさっぱり<頭痛>と<渦巻イメージ>はせました。

 南平なんぺいさん、それからサユリさんにも、礼を言います。

— 来週の日曜日は、

  海里かいりの誕生日も兼ねた、

  素敵なパーティーを拙宅せったくで開きましょう —」


「やったー!!」

海里くんは、

バスタオルを宙高く投げ飛ばし、

諸手もろてを挙げて、ガッツポーズ。


サユリは・・

里見のバックアップ体制と、

職務への真摯しんしさ、

プラスして、ダンディズムを再認識していた。

MY所長=MYヒーロー=里見さとみ恭平きょうへいバンザイ!


本件をベースに、

ミステリーの好短編を、

モノに出来そうな予感到来とうらい━byサユリ。


(・・だいぶのちの事・・

  里見の手により、

  天田邸の書斎を含む三か所に、

  盗聴器が仕掛けられていたのを、

  南平から聞かされた、サユリ助手は、

  その周到しゅうとうさ/非情さ/に驚きを禁じ得なかった!)

━━☾━━


\待望の日曜日がやって来た/


ところが・・

残念ことに・・

・・天田家のパーティーは、

  突如とつじょ 中止となった。


—▼—

名古屋の自宅にて・・

松岡占い家は、

三角テーブルに着き、

杜仲茶とちゅうちゃを飲み、

<水晶球>を眺めていた。

ふだんは透明のそれが、

┃真っ黒に変化していた!┃

卜者(ぼくしゃ) えりは、

・・無常むじょうにじませ・・

・・首を左右に振り・・

・・天田氏の冥福めいふくを祈った!

—▼—


|パーティーから一転 |

斎場さいじょうで《 告別式こくべつしき》 がり行われることになった。

故人は ┃ 天田あまだ・R・かいり ┃氏 (享年・・六✖) 。


ブラックスーツを着用し喪章もしょうをつけた里見。

黒ネクタイ・スーツ姿の南平は、

泣きらす黒衣のサユリを抱きかかえるようにしていた。

三名は順番に、

遺影いえいへと手を合わせ、お焼香しょうこうをしてゆく。


「なんで?

 ど━して?

 納得なっとくいかないよ!

 <火炎(かえん)〈Flame〉の幻視>をだっしたと思ったのにィ・・

 大好きなプールで┃心臓麻痺(まひ)┃を起こすなんて。

 皮肉にもほどがあるじゃないの。

 この世に神様は居ないワケ?・・おかしいよ・・」

参列者席に着いたサユリは、

あふれ出る涙をハンカチでぬぐい、

悔恨かいこん噴出ふんしゅつさせ、

人目をはばからずに声を上げた。

・・肩を抱き、なぐさめる南平。

サユリの悲しみは、

参列者一同にも伝播でんぱしていき、

そこかしこからすすり泣きがれ出した(˃̣̣̥⌓˂̣̣̥)

(お葬式あるある ですな)。


斎場後方にて・・里見は、

かつての(警視庁時代)上司である、

SP達にガードされた本部長と、

沈痛ちんつう面持おももちで会話をしていた。


列席者一同は、

最期さいごのお別れ《おさめの式》にて、

僧侶そうりょ読経どっきょうを聞いたのち、

火葬かそうに立ち会った。


台車式火葬炉かそうろ

天田氏の遺体いたいが横たわった〈お棺〉をおさめていく。

火葬技師によりに ━ 火入ひいれが行われる。


参列者席には、

火葬の終了を待つ大勢おおぜいの中に、

チーム里見の三名の姿もうかがえた。

・・里見と彼氏にはさまれる形で席に腰かけ、

とめどなく涙をあふれせているサユリ。

彼女は、いまだ、現実を受け入れられずに、

小声で、ぶつぶつ、疑問符を投げかけていた。

南平は・・

彼女の内にひそむ激しいパッションを思い知らされた。

クリエイターをこころざすだけのことはある・・と思った。

知性だけで小説は書けない!

なにか<熱いはしら>を必要とするのだ・・表現ってやつは。


南平の観念かんねん

⌠ 不意にホテル時代の思い出へ誘い込まれ

 ⌠ イメージ想起そうきをさせた。

  ┇車いすの女の子┇は、現在、どうしているのか?

⌠ あのとき

 ⌠ 必死で

  ⌠ あの娘の父親を追いかけた

   ⌠ 信じがたい自身のパッションがよみがる。

⌠ 眼前の情景はゆがみ、

 ⌠ デフォルメされ、渦巻状に変化していった。

  ━ 頭が痛い! ━

   ⌠ 火炎〈Flame〉のイメージにみ込まれた!


⌠ あっ☆・・・現実戻り!

  ⌠ 声を上げ、

   ⌠ 立ち上がり、

サユリの前をすり抜け・・

・・ひとつ置いた席の、里見のそばへ行き、ヒラメきをぶっつけた☆

半信はんしん半疑はんぎの探偵の肩をチカラいっぱいドヤしつけ、

迅速じんそく行動をうなが絶叫ぜっきょうを、びせた!

・・神経を起こされた里見は、

南平の尋常じんじょうならざる態度に突き動かされ、

しぶる本部長を強引ごういんに動かし、

常識じょうしき外の<火葬かそう中止>を、

警察権限でもって、発令はつれいしてもらった!


火葬炉から・・

き、

ケムリを漂わせているひつぎを引き出した。

ひそひそとザワつき、

なにが起きたのか⁉という顔つきの親類縁者や、

斎場関係者などを、強硬きょうこうに押しのけ、最前列へ進み出て、

フルえる指で — 熱をびた《ひつぎの小窓》を開くサユリ!


━ 白い三角巾さんかくきんひたいに巻いた天田氏は、

パチリと両目を開き、

九死きゅうし一生いっしょうるとは・・

まさに、この事でしょうな・・」

 ・・はんうつつ状態で言った。


━ 天田氏は、

海難かいなん事故にった彼女と、

サユリの姿すがた

  ぼんやりオーバーラップさせていた。


令和のミラクルに出くわしたサユリの感激涙は、

よみがえった天田氏の顔へとポタポタ落ちた。

依頼人は、

表情を、涅槃ねはん領域にまで、

深く近接きんせつさせ・・かすれ声を発する。

「またもや、すくわれましたな。

・・ありがとう・・お嬢さん・・」


「いいえ、天田さん。

私ではなく・・

最高カレシ ━ くすのき 南平なんぺいさんのお手柄てがらです!」


参列者の花道から、

四歳になったばかりの海里かいりくんに手を引かれ、

最前列に姿を現した・・南平。

斎場さいじょう内には盛大な拍手がき起こった!


葬儀技師たちの、

迅速じんそく行動でって、

ひつぎに打ち込まれた、

五寸ごすんクギは引き抜かれていく。

・・軽い火傷やけどを負った天田氏は、

  念のため、救急搬送されていった。


━☆━

黒い<水晶球>は、

卒然そつぜん・・透明化して・・

一条いちじょうキラめきをまたたかせた!

松岡うらなは・・

「《伏兵ふくへいあらわる!》

 見事に、

 宿命しゅくめい転換てんかんを果たしましたな。

 おめでとう ╍ かいりさん☆

 ╍ 運の強い御仁ごじんだ!」

・・と つぶやき、

会心の笑みを浮かべると、

仏手柑ぶってかんアメの包装をき、

口にふくんだ。

━☆━














令和八年 三月三日(火)。

あのお方(・・・・)」の声を専属吹き替えされていた、

池田昌子氏が永眠されました。

謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。

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