表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
哉カナⅡ/18歳  作者: カレーライスと福神漬
85/90

チーム里見|中堅

ー 明けて翌日 ー

日和(びより)。気持ち良い朝である。


ベッドから起き上がった、

ボディーガードToday担当者ー鈴木サユリは、

 座卓横で毛布をかぶり、

 彼女の夏限定使用品〈とうマクラ〉に頭を乗せて、

 スヤスヤ眠っている彼氏を、

(うつつ)状態でしばらく見つめ、

「ダーリン」とささやき♡

ささやかな幸福を甘受かんじゅする。


サユリの借りているコーポは |×ペット飼育厳禁×| なので、

ぬくもりを発する、

したしい生き物がそばにいると安心感を持てるのだ。

子供の頃から常にペットの犬や猫と、

喜怒哀楽きどあいらくを反射させ合い、

成長してきたから、猶更なおさら感慨かんがいひたる。


四投流よんとうりゅうをこなす・・・

現在時においては、独り暮らしに・・

特段とくだん、寂しさは覚えないけれど・・

時としておそってくる

生殖本能という名のホコホコ感は別として(ゴホン)!

空虚くうきょ心緒しんしょを埋めてくれるのは、

AIやネットにあらず、

やはり 体温をゆうする生命体 なんだと落ち着地。

(決して、彼氏カレシたる南平と、

 ペットを同一視どういつししているワケではありまぜんゾ)


サユリは、

なるべく音を立てないよう・・

抜き足差し足・・ユニットバスまで歩き、

朝シャワーを浴び、着替えをすませ、

南平用のブレックファースト支度じたくを速やかに整えた

テキパキ行動をむねとする鈴木さんは、すこぶる器用きよう女子なり!

ただし・・小説執筆に関してはスローモーなのです。


彼女自身は、

ターミナルの|駅ナカ|で、

上京してくる来訪者と、

朝食を取る予定を組んでいた。


メモ書きを残して・・部屋をあとにする。

 

 サユリ部屋のスペアーキーは、

 昨晩〈ライオンパレス〉のスペアーと|交換式|を済ませてある。

 ・・今後は2ルームを行き来することになるだろう。

 ・・なんとなく、生活に奥行き&りが出る未来予想。


╍╍╍

| 午前8時45分 |

一台いちだいのタクシーが天田あまだていの正面に止まった。

車内からりて来た、ふたりの人物。

そのうち 1名は <日勤 ボディーガード>の鈴木サユリ。

残るひとりは ー

 はるばる、名古屋から呼び寄せた

ー 占いの <松岡まつおか えり()> であった。

╍╍╍


鈴木助手は、

ディベートで里見所長を打ち負かし、

|固い財布サイフ|から経費引き出しに成功した。


サユリ案は ━━ <目には目を!>作戦。

三次元世界にいて、

まるっきり、つかみどころのない、

正体不明⁉なる難敵なんてき渦巻うずまき幻視げんし┃には、

┃有能占い┃パワー で対抗するさくを打ち出した!


ー≒ー

里見は、

助手発 ー 着想のユニークさ+怒涛どとうの勢いに押し切られ、

不承ふしょう不承ぶしょうながらも、

提案を認めた。

 自分には失われてしまった、

 若者のみが持つ情熱、思考、感性、直カンを、

 頭ごなしに否定したくはなかったからだ。

どころは・・

|鈴木サユリ|は おろか者 ではないという

・・ただ一点いってんのみ。


言うなれば、

他者たしゃという)

プレイヤーの行動を見守る、

監督気分なのであった。


たして・・

┃毒をもって毒をせいする┃ことが出来るだろうか?

 奇手きしゅよ!

 悪手あくしゅてんずることなかれ・・」

元警部補は、

不安のキリ立ち込める、

心の内で、つぶやいた。

ー≒ー


松岡師に丁重ていちょう挨拶あいさつをして、

助手への引継ひきつぎを終え、

クライアントに一礼すると、

・・里見所長は・・

|意外や意外|

占い家の御宣託ごせんたく場面に同席するであろう、

サユリの予想をくつがえし、

さっさと天田邸を辞去じきょしてしまった。


「こりゃ、相当だワ!」

里見のオカルト嫌いは可成かなりのモノだと、

再認識させられたサユリ助手。

加えて・・

自己主張の強い、このサユリを、

ケムたがっている事も、さっした。

申し送りは事務的で ー 親密さを欠く対応だったし。


・・必要性ゆえに・・良かれと信じ・・提案したのに・・

・・理解されない・・このツラさよ・・

・・抜きん出た発想は認めて貰えないのは・・通例つうれい・・

・・紀元前に発見された〈ピタゴラスの定理〉は|世紀をまたいで|

  |GPSの原理となり||1983年以降爆発的に普及ふきゅうした|

  |気の遠くなるような話ではないか・・|

・・ゴッホだって・・認められたのは・・はるか後年・・

・・くじけちゃダメよ・・サユリ・・おのが直観を信じて・・ファイト!

 そう、

 自分自身をはげました。


すくいとなったのは、

クライアントの天田氏が乗り気(・・・)をみせたこと。

どうやら ━ 天田〈幻視者〉は、

      松岡〈占い家〉に なにか(・・・) を感じてくれたようだった。

一見いちげんにて、興味きょうみ磁場じば発生!

一目ひとめれの変奏曲といえるだろう。


理解わかるヒトには ━ 理解わかるンである。

コモンセンス(常識)かたまった里見さんは・・お呼びでないのよ!


書斎に、

折り畳み式(キャスター付き)簡易かんいテーブルを運び入れた。

トライアングル構図をえがいて腰掛け、

お茶を飲み、

仏手柑ぶってかんアメ(占い家の土産みやげ品)をめている

松岡師は・・

・・占いに不可欠ふかけつな重要ツールをテーブル上に置いた。

ツールをおおっている、むらさきのビロード布をめくり上げ、

くもらざる水晶すいしょうきゅう露出ろしゅつさせた。

深淵しんえんまで見通せそうなほど、それは、き通っていた。

占い家は柔和にゅうわな表情をくずすコトなく、

占い球と天田氏を交互こうごに見つめた。


天田氏と松岡師の波長ヴァイブは、

うまい具合にシンクロしているように、サユリは肌感はだかんした。

しかし・・

サユリの感受は、

まとの中心点を微妙にハズしていた。


松岡師は・・

極力きょくりょく緊張感をはいし、

表情(やわら)らかに、

洒落しゃれたジョークをまじえ、

リラックスモードでセラピーを、

いざ・・始めようと水晶球に目を移したとたん、

━━ 天田氏は「待った!」をかけた。


彼は、

おもむろに立ち上がり・・

仕事用のデスクまで歩いていくと、

抽斗ひきだしを開き、

《タリホー》のトランプを取り上げ、

松岡師に対し、挑戦的な目を向けた。


「まずは・・

神経しんけい衰弱すいじゃく>ゲームでもって、

あなたの力量りきりょうを計測したい。

もしワシがやぶれたら、素直に占いを受けましょう。

逆の場合は、即刻そっこくお引き取り願おう!

・・時間のムダですからな」


水晶球から顔を上げた松岡師は、

特徴とくちょうのあるマユはちにして、

困った表情を浮かべ、

カップめんの出来上がるタイムを・・黙考もっこうに費やした。

 以前、口にしていた—「現在は・・昔と違い・・ 霊感はほとんりてこない」

 という、占い家の言葉をサユリは記憶反芻(はんすう)していた。

やがて、

松岡(ぼく)(しゃ)は・・

・・両目に光をともし、静かにうなずいてみせた。

クライアントの挑戦を受けて立つ覚悟を決めたようだ。


━ ピカリときらめきを発する・・水晶球⚡


傍観ぼうかんしていたサユリは・・

\熱冷波動(ヴァイブ)さらされ/

「いかなる勝負が繰り広げられるのか!?」

・・ゾクリと身体をフルわせた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ