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哉カナⅡ/18歳  作者: カレーライスと福神漬
100/105

カオス突入

夏の 蔵出し 第二弾。

暑さに負けず、お読みくだされ!

(作中の季節は冬なので暑気払いにはなるかもね)

師走しわすはいり、

寒さも本格化、

そろそろ忘年会(ぼうねんかい)の季節であります。


和食ダイニングや居酒屋いざかやつどい、

湯気ゆげの ほんわか立つ なべなんぞをかこみ♨

お好みのツマミ(刺身・やきとり・揚げ物・サラダ etc)をしょくし、

百薬ひゃくやくちょうたるアルコールがまわり、

❀会話の花がけば❀

浮世うきよささくれ(・・・・)えるというもの。

・・まあ、メンツにもよりますけどねェ。


❚日付変更線を大幅おおはばまたいだ深夜帯しんやたい

移動控室(ひかえしつ)である、

小型のキャンピングカーを走らせている七尾ななおマネージャーは、

リア・ミラーしにタレントのようすをうかがう。

後部座席でトロンとしているソルジャーしおり

・・夢うつつかんを、往復おうふくstate。


━ 今日(正確には昨日)の撮影は ━

担当がメインの南禅寺(マロ)監督という闇夜やみよハリ

なみではない消耗度しょうもうど・・疲弊ひへい余儀よぎなくされた。


━〇━

早朝から、

四色レンジャー(せい)ぞろいしての、

マロ監督による、

『黒い罠(58)』冒頭(ぼうとう)シーンさながらの、

<十分をえるおおかりな長回ながまわ撮影さつえい>はラクであろうはずもなく。

過去:二時間サスペンス『お手伝いさんは見た!』や、     

マロの特異演出回にいて、

トレーニングみのイエロー汐は、まぁ別として、

ロング・ワンシーンワンカット初体験の3レンジャー’Sは悲鳴ひめいを上げていた!


長廻ながまわしにおける演技とは、

 極限きょくげん緊張きんちょうが果てしなく続く苦行くぎょう

 NG一発で、「(さつ)()み」すべてがおじゃん(・・・・)になるので

 演じるがわのプレッシャーは墓石はかいしのごとくおもい。

・・ゆえに「OK」が出たときの達成(たっせい)感はハンパない┃


マロのことであるからして、

えっぱなしのワンカット(これはこれで大変である)

なんぞという生易なまやさしい代物しろものではなく、

つねにムーヴし続けるカメラ()合わせた芝居しばい強要きょうようしてくる。


┅┅┅

確度かくどの高い情報をた本部の指令しれいにより・・

四色(レンジャーズ)全員 が、

民家をした建物に入り、

一階から二階へ上がっていき、

ふたたびりてきて、さらに 地下へと移動。

(とつ)ブルーの開発した生体探知機(たんちき)

反応はんのうしめした室内へ、けっして侵入しんにゅう

そこで、

ついに、

地球侵略(しんりゃく)はかる ダークマター組織 のふだ

\最強ヴィラン/と遭遇そうぐうたす┃

という、

やるせないほど いきの長いワンカット。

┅┅┅


しかも各自かくじ

ヂカラ芝居&所作しょさと、

状況じょうきょう説明台詞ぜりふひそひそ声(・・・・・)にて、

マルチタスクさせなければならない。

ことわるまでもなく ━ シンクロ〈同時録音〉だ。


それだけでも充分じゅうぶん大変なのに、

ダメ押しといえる「E難度なんど撮影」がひかえしそうろう

長廻ながまわし場面のめを、

 《ノーマルからスローに変化させる、

 『エルム街の悪夢(84)』の(なわ)とびシーンを

  反転はんてんさせたテクニックで、めくくる》┃

冒険ぼうけんプランをマロは厳達げんたつした。

当然とうぜんカットりは一切いっさい行なわれない。

長廻ながまわしのあと、当該とうがい場面を、シームレスに結着けっちゃくさせる。

後者こうしゃは・・キャストよりも技術スタッフに重圧じゅうあついるプロブレム。


テクニックの追及(ついきゅう)かんして、南禅寺は、おそろしく貪欲(どんよく)であった。

(ぼう)映画でゲッコー氏がめい台詞せりふ

 「Greed is good!(貪欲(どんよく)は正義なり)」は

 ・・マロ、だいのお気に入り v(^-^)v ◀


以上のような(ダブル)実験撮影方法をれば、

照明係には、

精確せいかく繊細せんさいな光の加減かげんを要求、必定(ひつじょう)

カメラマンには

金庫のカギダイヤルみたいなフォーカス合わせに

悪戦あくせん苦闘くとういる、狂気きょうき沙汰さた

(マラソン競技の直後ちょくご

 数学コンクールの決勝戦にいどたぐいのイレギュラー)。


時間超過の懸念けねん

新人俳優はいゆうたちのスキル不足〈+やみ落ち〉を危惧きぐした局Pのもう反対を ━

━ マロは一蹴いっしゅう

「最重要シーンであるから、

送り手とオーディエンス〈視聴者〉双方(そうほう)

緊張感を持続じぞくさせる方策ほうさくとして、

絶大ぜつだい効果こうか発揮はっきする

|ワンカット撮影|を断固だんこ採用さいようします」

毅然きぜんたる態度たいど宣言せんげんした。


せめてもの保険として局Pは、

猪熊(いのくま)を監督補佐(ほさ)ける」

という付帯ふたい条件を出し、マロにませた。

・「これ以上、南禅寺なんぜんじをのさばらせて、たまるか!」・

弱腰よわごし陰口かげぐちたたかれている(きょく)(ピー)虚仮こけ一念いちねんであった。


えて 、

長廻しという難関なんかんな撮影体制(たいせい)いた理由わけは、

ケミカル・チェンジを起こしたいという思慮しりょがマロにあったからだ。

(ワンカット内で、

 ノーマルからスローへ変化させる

 手ごわい撮影にかんしては、99・9%趣味である)


きっかけは、

先日の出来事であった。


(とつ)レッド・ブルー・ピンクの三人がシーン終了直後、

マロ監督からの「OK」が出たにもかかわらず、

━━ 「もう一度、らせて下さい!」

三声さんせいそろえて言ってきたのである。


━━「!?」

マロのするどい顔にいている鋭い二つのまなこは、

三色レンジャーをギロリとニラみつけた。

すると、

今までならすくみ上がっていた

レンジャーたちがニラみ返してきたのだ。

・・固唾かたずむスタッフたち。


ただでさえスケジュール超過ちょうかしている最中さなか

たかが新人’Sのちょこざい(・・・・・)な態度・物言(ものい)いに、

カミナリを落としてもいいシチュエーションではあった⚡

意外にも

マロは

グッとこらえ、

不敵ふてきみを浮かべてみせた。

━━「よろしい、もう一度、行ってみよう」

・・ホッと息をつくスタッフたち。


リテイクのがりは、

前テイクより

ちょっぴりマシな程度ていどぎなかった。

とはいえ、カタツムリ進化はみとめられたので、良しとした。

3レンジャー’Sの得意とくいそうな顔を見て・・マロは内心、苦笑した。


║南禅寺は自問じもん自答じとうする║

━ 自己主張・自惚(うぬぼ)れは、俳優にとって「必要()」である。


━ だいぶ撮影段取りにれてきたようだ。

  猪熊(クマ)の様式放棄(ほうき)的な「芝居に特化した」演出メソッドや、

  しおりぼう天性てんせいアクトが彼らに好影響をおよぼしたのだろう。


━ しかしながら、まだまだバランスにける。

  三色とイエロー汐では力量りきりょうがありすぎる。

  歯車はぐるままわりをもう少しスムースにできないものか?


━ かてて加えて、要注意(あつか)いの・・笹森汐(=超人ハルク)という存在。

 

そこで・・

みちびき出されたのが、長廻ながまわしである。

三色’Sをはげしくめ立て、

手ごわき一色(いっしょく)(=イエロー)の義侠心ぎきょうしん誘起ゆうきする。


難行なんぎょう渦中かちゅうに放り込んじまえば、

  り合わせ修正しゅうせいは、おのずとなされるていくあろう。


・・「正真しょうしん正銘しょうめい

   カルテット(四色融合(ゆうごう))に近づいてくれたまえよ!」




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