誠也視点 〜ハグしてよ〜
誠也視点で書いています。楽しんで読んでもらえたら何よりです!( ´ ▽ ` )
(これからもエマだけでなく、登場人物達の視点で書きます。)
〜誠也視点〜
「ハグしたら許す。」
どうしたら機嫌を直してくれるだろうかと必死に考えていた時、彼女の口から出てきた言葉。
ハグしたら許す? どーゆー意味だ??理解ができなかった いつかの文法の授業でやったみたいに単語に分けてみる。 ハグ したら 許す
ハグ?? 彼女の顔を呆然と見る。数秒の時差の後、自分の口から、悲鳴のようなものが出た。
「ええぇっっ!!!」
同時にカアァッと顔が熱くなる。きっと真っ赤になっているのだろう。だが今はそれどころじゃなかった。
「ななななんでそうなるんだよ!!??」
なが三回もついてしまった。ちょっと情け無いが、今はそれどころじゃなかった。
「ふーん?みんなに言ってもいいの?誠也に傷つけられたって」
グッと押し黙ってしまったのは、断じて彼女の上目遣いのせいではない。その可愛い口から出てくる言葉の内容のせいだ。
「い、今?ここで?」
流石にみんなの前だとしたら死ぬ。本当に死ぬ。そうじゃなくても多分瀕死状態になると思うが。
「そうだよ?そーじゃないと意味ないじゃん」
(…)
(…消えたい。今すぐ消えたい…)
彼女が腕を広げる。周りの視線が凶器のように刺してくる。痛い。
(…殺される。みんなに殺される…。)
誠也の脳内に、凶器を持ち、目をギラギラさせた大勢の男子達に追いかけられる様子が思い浮かんだ。
けど、どっちにしても死ぬ運命なら…ここは彼女の腕の中で死んでみたい。本気でそう思いながら彼女を見る。心なしか、酷く嬉しそうに見える。
「ほらっ早く」
「ハグしてよ」
もうどうにでもなれ!!
彼女の背中に腕を伸ばす。ギュッと目をつむる。
(あぁ、神様。俺は今まで、わずか17年だけど人生頑張りましたよね??)
彼女の体に触れる瞬間、背後から声がかけられた。
「君たち、別にイチャイチャするのは構わんが、他の場所でしてくれんかね?目のやり場に困ってしまうぞ。」
スッとエマから離れる。
(先生、ナイスタイミング!!!ありがとうございます!!!先生は命の恩人ですっ!!!!)
生徒から勝手に命の恩人と感謝されているとは知らずに、困ったように眉を下げた中年の数学教師がそこに立っていた。フランス出身の女子生徒に、(美しすぎる)鬼の形相で睨まれながら。
授業開始5分前のチャイムがなる。
二人の教師と男子生徒は逃げるように立ち去った。周りの生徒たちもぞろぞろとクラスに戻っていく。
その場に居た誰もが、エマがぽつりと呟いた言葉に気づくものはいなかった。
「…この先もずっとただの片思いなのかな…」
彼女が呟いた言葉は虚しくも空中に消えていった。
最後まで読んでくださりありがとうございます。 沢山キュンキュンしたりイイなぁ、と思ってもらえたら嬉しいです!(≧∀≦) 良ければブクマ、評価、いいね、感想、改善点などよろしくお願いします!(>人<)




