〜体育祭〜
ジリジリと太陽が肌を焼き付けてくる。
「あっつーい!!やだもー日焼けしちゃうー」
日焼けは女子が何としても避けたい事である。
「あ、絵凪日焼け止め持ってるの?お願い貸してくれない?」
「いーよー」
「あーなんで体育祭の日に限ってこんな暑くて天気いいんだろーねぇ。」
「わっかるー。」
女子達はテントの中で固まって、全身に日焼け止めを塗り塗りしたり、手であおいだりしながらグチを、言い合っている。
口ではみんな文句を言いながらも実は結構楽しみにはしていたのだ。
「あ!エマ何それ?」
「これ?クーリングスプレーだよ。服とかにつけると涼しくなるからすっごくいいの!」
「えーすごっ!ねーねー私にもかけてー」
「あ、私も私もー」
「エマちゃん私もイイかな?」
夏の体育の時、こう言うスプレーや日焼け止め、汗拭きシートなど便利で女子力高いものを持っていると女子は自然と群がるのである。
「プログラム3番、男子リレーです。リレーに出場する選手は入場してください。」
プロ並みの放送部のアナウンスが流れる。
「頑張ってー。」
「絶対勝てよー」
「ファイト!」
男子達にとって女子達から応援されるということは嬉しいことである。 それに体育祭は、好きな子に自分のイイとこを見せるチャンスである。
というわけで、かなりモチベが上がる。見かけはだるそうにしているが。
「8組、先頭です。4組、頑張ってください。6組が7組を追い越しました!」
「頑張れぇぇっっ!!」
「ファイト!!」
「7組しか勝たん!!!!」
エマのクラスは7組である。今年流行りまくっている音楽が声援と共にグランド中に響き渡る。
「え、、、浜田くん早くね?」
「うっそ!!!陸部を追い越したよっっ!?!?」
浜田悠飛は目にも止まらぬスピードで足を動かしながら、次々と追い越して爆走していた。
彼はもともと足が早かった訳ではない。どちらかと言えば運動は好きではなかった。だが、なぜこんなにも速いのか。
二ヶ月前から準備をしていたのだ。
毎日、ランニングや筋トレ、走り込みの練習をしたりネットでで検索、陸部の子に聞いたりして相当な努力をしていたのだ。それはひとえにエマにイイとこを見せたかったからである。そしてその血の滲むような努力が今結果として出ている。一位という結果に。
クラスメイトが一斉に喜びの声をあげ、飛び上がった。




