〜桃葉視点〜夏と恋
「今日でもう一学期終わりかぁー。」
米村桃葉は机に頬杖をつきながらそう呟いた。隣の席にいる友人、エマが明るく言う。
「やっとだー!!モモハ、夏休みたくさん遊ぼうね!!」
エマに顔を向け、モモハは答える。
「うん!夏といえばやっぱ、海とかプールだよねぇ。あ、みんなで日帰り旅行とかお泊まりとかもイイなぁ。」
「いいねそれ!」
いつの間にか友人達が集まり、夏休みの予定について盛り上がる。
そして女子が集まれば恋バナが必ず始まる。
「うち彼氏と水族館行く予定なの!!久しぶりのデートだからすっごく楽しみ〜。」
「水族館デートとかイイよねぇ。ロマンチックで」
「いいなー。絵凪は彼氏とどっか行くの??」
「うん!実はね、彼氏とお泊まりに行くの!!!彼、車で連れてってくれるんだってー!!!」
「お泊まり!?きゃーイイなぁ!!!絵凪の彼氏年上だっけ?大学生だよね??」
「うん。そだよ。大人っぽくてたまにデレるとこがすっごーく大好きなの!!!!」
「はは、ノロケまくっちゃって。」
「彼氏ラブだねぇ、相変わらず。」
「えへへ」
「あ、桃葉の恋バナも聞かせてちょーだい。好きな人とかいるでしょ???」
ついさっきまで友人の恋バナに夢中になっていたのに一瞬で冷めてしまった。
(え、、、どうしよ。谷口くんとは言えないし、、、)
「はっはーん。その顔はいるんだなぁー??白状しなさーい」
すっかりノロケモードに入った絵凪が催促する。
雫と目があう。彼女は気まずそうに目を逸らした。
「…え、えっと。実は好き、な人いるだけど。」
「きゃー!だれだれ??」
「さ、流石に名前は言えないけど。イケメンで結構人気者なの。」
「ほーほー。」
「だけど、友達と好きな人かぶっちゃってて」
「ありゃ。」
「そうなの、、」
「どう見ても友達と彼は両思いなんだけど諦められないの」
「…諦めなくていいよ!!頑張って桃葉!!応援してるから!!」
友人たちが明るく励ます。
(みんなは簡単にそう言えるよね。だけど、、、)
見るとエマが話に参加せず、俯いていた。
エマちゃんらしくないな。どしたんだろう。
「おーい、そこの女子達ーもうホームルーム始まるぞー座れー!」
みんながそれぞれ席に座る。
(そういえば、谷口くんは予定とかあるのかな。)
誘うことなんてできないが、どうしても気になってしまう。チラリと窓の外を見ると夏特有のすっきりと青い空と、うっすらと途切れ途切れに雲が浮かんでいた。
(神様、頑張るのでどうか私の恋を最後まで見守っていてください)




