〜桃葉視点〜
〜桃葉視点〜
ガタンガタンガタン。。。
毎朝、私は電車に乗って通学する。ガタンガタンと揺られながら、毎朝変わらない景色の中には必ず君がいた。
いつから、君に恋をしたのか分からないけど、気がつけば目で追うようになっていた。
電車の中で、彼と友人との会話で彼の名前が谷口誠也だと言う事、同じ学年だと言う事が分かった。そして同じ制服を着ていて、自分と同じ学校だと言う事もすぐに分かり、飛び上がりたいほど嬉しかった。
内気でそれまで異性が苦手だった私は話しかけることもできなくて、ただ彼をそっと見つめるので精一杯だった。
だから電車を降りる時、彼が生徒手帳をホームに落とした時は神様が私を応援してくれてるのかなと勝手にそう思った。 生徒手帳を拾い上げ、彼を追う。この16年で一度もないくらい勇気を振り絞って、声をかけた。
「あ、あの!!」
彼が振り向いて私と目があった時、心臓がドキンと大きな音をたてた。
「はい?」
「あの、、、これ落としましたよ。」
そう言って微かに震える手で手帳を差し出す。
彼が一瞬目を見開いて、
「あぁ。ありがとうございます。」
お礼を言った。
初めて目があった。初めて話した。ただそれだけで心臓が爆発しそうなほど忙しい。ぼうっとしていると、彼は軽く会釈をして行ってしまった。
次の週から、電車で彼を見かけなくなった。私ひ酷く落ち込んだ。電車通学をやめたのだろうか、別の時間にしたのだろうか。それとも、、、。彼のことを考えるのをやめられなくて、私は
(重症だな、、、)
と思った。なぜか、彼を学校で見かけたことはなかった。友人達に聞いてみることもできたのだけれど、私は恥ずかしくて好きな人がいることも伝えることは出来なかった。
クラス替えをした。なんと彼と同じクラスになったのだ。私はにわかに信じられなくて、クラス替え表と、彼を交互に見た。あの瞬間は、世界で一番幸せだったと胸を張って言える。
しばらくして、彼をなぜ電車で見かけなくなったのかぎわかった。彼は幼馴染と一緒に通学していたのだ。
フランス生まれの絶世の美女。 プラチナブランドと呼ばれる、銀にも淡い金にも見える艶やかな髪に大きな翡翠色の瞳。真っ白な肌。西洋風の整いすぎるほど整った顔立ち。その上スタイルもよくて非の打ち所がない。彼女は自分の美しい容姿を鼻にかけず、気さくで優しくて明るい性格だった。 彼女、エマと私は仲良くなり、エマも谷口くんのことを好きだとわかった。彼女は非常にオープンな性格で、堂々と彼のことを好きだといい、毎日、両思いになるために努力していた。
私とは違いすぎる。そもそも同じ私はその土俵にすら立っていないのだ。好きな人な事も好きと言えなくて、全然応援してないくせに 応援するよ!と言う。
だけど、恋とはなんとも複雑で嫌味なものでなかなか諦められなかった。
(あの頃に、同じ電車に乗ってた頃に戻りたいな…)
そんなことを思う私は情けない女なのだろうか。




