〜映画デート〜
うるさい音がなり、スマホのアラームが私を起こす。
「あともうちょっと、、、寝たい、、、」
スマホにてをのばし、アラームを止める、と同時に悠飛からのLINEがきた。
「おはよう。今日はよろしく。」
可愛いらしいスタンプも絵文字もついてない、ちょっとそっけないような文面。だけど、心のどこかで嬉しく思い、少しくすぐったさを感じている自分がいる。
(最近、私おかしいのかな。これじゃまるで私が…)
恥ずかしくなり、枕に顔を埋める。その時、ノックと共に少しくぐもったラファエルの声が聞こえた。
「もう起きてるか?朝ご飯できてるぞ。」
(そうだ。お兄ちゃんいるんだった。。。ということはあのまずい朝ご飯が毎日続く。。。ううっ、つらいつらい。)
身支度を整え、リビングに向かう。と、予想に反し、美味しそうな匂いがただよってきた。
「いい匂いがするのは気のせい?お兄ちゃん。」
「おいおい酷くないか?折角フランスにいる間、妹と再会した時のために料理の勉強頑張ったのにさ。」
「へー勉強したんだ。朝ご飯なーに?」
兄がテーブルにフライパンを持ってくる。エマの皿にフレンチトーストを乗せる。
「じゃじゃーん。フランス一おいしいフレンチトーストでーす。」
「パチパチー(拍手)」
フレンチトーストを切って口に運ぶ。柔らかな食感と、蜂蜜とフレンチトーストの味が口の中で絡み合う。
「すっごく美味しい!!!お兄ちゃん凄いじゃない!!」
妹に褒められ、ラファエルは鼻高々だ。
「いやぁよろこんでもらえて嬉しいよ。」
予想外の美味しい朝食を食べ終え、デート、じゃない遊びの準備をする。
待ち合わせの30分前になり、「行ってきまーす」と家を出る。今までにない高揚感を胸にバス停に向かう。
「早っ。もう着いてたんだ。まだ、待ち合わせの20分前なのに…」
悠飛の肩をポンっと叩き、
「やっほー」
と笑顔で言う。
「あ、こんにちは…??…や、やっほー?」
少しどもっているのがなんだか可愛くてクスッと笑ってしまう。
「うん。ちょっと早めだけどもう映画館行く??」
「う、うん。そうだね。」
タイミングよくやってきたバスに乗り込む。
映画という共通の話題のおかげか話はかなり盛り上がり、あっというまに映画館に着いた。
大きなサイズのポップコーンを一つとドリンクをそれぞれ頼む。ポップコーンをシェアできるよう大きなサイズで一つ頼んだ時、なぜか悠飛は赤くなってどもりながら何か呟いていたが気のせいだろうか。そして、それをレジの店員さんに温かい目で見られていたのも気のせいだろうか。
予約した席に座り、映画がいざ始まった。
映画を見ながら、ポップコーンをつまむお互いの手がしょっちゅう当たり、その度に悠飛の手からポップコーンが落ちる。 なんだか可哀想なので、悠飛の手をそっと握った。ビクッと悠飛が震える。それじゃ食べにくいだろうと空いている手でポップコーンを悠飛の口に運んであげた。
エマにとっては、どれも悠飛のため、の行動なのだが、彼にとっては映画どころじゃないに違いない。
感想を話しながら映画館を出て、ファミレスに入った。
店員さんに注文を頼み、周りを見ると見慣れた顔を見つけた。
(誠也だ、、、!!どうしよ、声かける?けど、、、)




