〜シスコンの兄登場•再映画デート(?)〜
「…なんで、悠飛は、ハグとかしたんだろ…なんかすっごく恥ずかしいんだけど。」
足をバタバタさせ、枕をポフポフ殴る。艶やかなプラチナブランドの髪が乱れるのにも構わず、頭をぶんぶんふる。
モモハと雫の会話を思い出した。
「恋って辛いこともあるんだ…。」
独り言を呟く。と同時にピコンとラインの着信音が聞こえた。枕に顔を埋めたまま、スマホに手を伸ばす。
「…え。え、えぇ!?嘘でしょ!」
スマホの着信を見るなり、叫ぶ。
ばっと起き上がって部屋から飛び出した。階段を駆け降りたところで、ピンポーンとベルがなる。
ドアを開けると、そこには
「…お兄ちゃん。」
「On ne vous a plus vu!!!」
そこには、金髪緑眼の爽やか風のイケメンが満面の笑みを浮かべていたのであった。だが、爽やかなイケメンスマイルは直ぐに崩れ、デレーっとした腑抜けた笑みが浮かんだ。
「エマァァッッ!!!お兄ちゃん会いたかったよ!!!」
ラファエル•バーグマン。あくまで、爽やか風であって、実際はただのシスコンのイケメンすぎるイケメンである。案の定、エマはそんなデレデレの兄を冷たい目で見る。
「こっちくるんなら前もって知らせてよ。」
「えぇ!!折角2年半ぶりに愛しい妹に会えたのに、冷たくされちゃったよぉ〜」
そう言って彼はガクッと膝をつく。
「もうイイから。お兄ちゃん早く入んなよ。」
情けない兄を軽くハグしてクソでかいスーツケースを家に持って入ろうとする。すると、
「いいよ俺がもってはいるから。エマに重いもの持たせられない。」
さっとスーツケースを奪って抱える。昔から変わらない兄に思わず笑みを浮かべる。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
兄妹二人で夕食の寿司を食べながら会話する。
「お兄ちゃん大学はいいの?」
「あぁ。もう夏休みだしな。ほんとは夏休み前に会いに来たかったんだけどなぁ。あ、そーいえばお前のフレンド達からこれ渡せって言われたよ。」
そう言ってゴソゴソとスーツケースを引っ掻き回す。
そして沢山の包みを出した。なぜ、こんなに大きいスーツケースで来たのか理由が分かった。
「ありがとー。」
そう言って一つずつメッセージを見たり、包みを開けていった。しばらくして終わると、夕食に戻る。
「ねーねーお兄ちゃんフローレンスと今付き合ってるの?前告白したってフローレンスから聞いたよ。」
興味津々といった様子でラファエルに聞く。すると、ムスッとした顔で彼が言った。
「断った。」
「はぁぁっ!?なんで!?お兄ちゃんフローレンスと仲よかったのに!!」
「いやだってアイツ 極度のシスコンのあんたのガールフレンドになってくれる人なんて私くらいしかいないわよ、付き合えることありがたく思いなさいとかふざけたこと言いやがった!!」
「うん、まぁ、事実だけどね。だってお兄ちゃん私の事だーいすきなんでしょ??」
微妙な顔をしてエマが言う。
「あぁ。この世の誰よりも愛してるが。」
「おぇっ。自分で聞いた事だけどなんか吐きそう。てゆーかお兄ちゃんめっちゃ重…。それに、サラッとそんなこと言うな!!」
鉄火巻きを口に運びながら重すぎる兄にツッコむ。
「そこまで重いと女子にウザがられちゃうよ。いくらお兄ちゃんがイケメンでも。私はもうちょっとピュアな人がいい。」
「いやそこはお兄ちゃんみたいな人がいいって言うとこ… ってエマもしかして好きな男できたのかよ!!!??くっそぉー!!誰だよ!!俺の大切な妹をたぶらかしたやつは!!ぶっ殺してやる!!」
勝手にヒートアップする兄を慌ててなだめる。
「いや落ち着いて?お兄ちゃん物騒なこと言わないでよ。てゆーかたぶらかされてなんかないし。それになんか多角関係っぽいんだよねぇ。」
あっさりとそう言うエマ。好きな人の存在を否定しない妹を見てラファエルは魂が抜けた顔になった。
「ううっ。悲しいよ。やっぱりお前を日本に行かせるんじゃなかったよ。フランスでは周りの男達を頑張って牽制したり近づかないように脅してたのになぁ。可愛すぎる妹を持つと辛いなぁ。」
なんか、ヤバい発言が聞こえた気がするが。
その日の夜、ベットに寝転がりながらクラスのぐるらを楽しんでいると、悠飛からラインが入った。珍しい。クラスメイトなので一応ラインは知っているがやり取りをしたことなど一度もない。
「映画のペアチケットが当たったので、一緒に観に行きませんか?」
(うーん。映画かぁ。あれ?これ私が好きな映画の2番だ。もしかして知ってて誘ってくれたのかな。)
もしそうなら、断るのは悪い。好きな映画だし、断る理由もないのだから。なのになかなか了承の返事を送れなかった。今日の事があったあとじゃ、気まずいしなぁと思う。
もしかしたら返事を待ってるかもしれない。
(グダグダ迷わずに決めたほうがいいよね。。。)
えいっ。送信。
ただ、それだけの事で緊張する。なぜだろう。今日の事があったからだろうか。うん、きっとそうだ。
スマホが震える。
返信早っ。
「明日か、来週の土曜日どちらがあいてますか?」
なぜ敬語なのだろう。
「じゃぁ明日で。待ち合わせは何時にする?( ^ω^ )」
絵文字もいれながら返事を書いて送る。
(なんか緊張するんだけど。。。)
「2時半はどうですか?バス停前で。」
「おっけーいd(^_^o)」
(すっごいドキドキする…!!なんかデートに行くみたい。って悠飛はそんなつもりじゃないよね。恥ずかしいな。)
前は誠也には自分から簡単に映画に誘ったのに。 悠飛から誘われるとドキドキするのはなぜだろう。なんとなく、理由を知りたくないような気がして、考えるのをやめた。
クローゼットを開けて、明日の服を選ぶ。
(ふあー。ねむ。もう寝なきゃ…。今気づいたけど悠飛と遊ぶの初めてだ…。楽しみだな。)
眠くてぼんやりした頭の中でそう思った。
エマのシスコンの兄が登場します。前から早く登場させたくてウズウズしておりました(笑)
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