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第94話 北欧の見張り台

北欧世界。


沿岸見張り台。


夕方。


神兵二人が海を見ていた。


黒海。


静か。


最近、本当に静かだった。


だからこそ。


誰も気を抜かない。


神兵の若者が記録板を見る。


『波動反応 小』


『侵入なし』


先輩神兵が空を見る。


「最近、遠くなったな」


「鳥ですか?」


「ああ」


高い。


以前より。


近づいてこない。


その時。


遠くの海面が小さく揺れる。


沈黙。


輪。


広がる。


だが。


何も現れない。


若い神兵が記録を書く。


『海面反応 小』


『接触なし』


先輩が小さく笑う。


「地味な仕事だろ」


若者も少し笑う。


「でも、最近嫌いじゃないです」


海風が吹く。


日が沈み始める。


今日も塔は立っていた。


(次話へ)


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