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第90話 駅ホームの朝

現実世界。


日本。


朝。


地下鉄ホーム。


通勤客が並んでいる。


疲れた顔。


眠そうな目。


スマホ。


日常。


その中で。


最近、小さな変化があった。


メモ帳を持つ人が増えた。


会社員の男が、小さく書く。


『駅 少し静か』


『違和感 小』


隣の女性もスマホメモを開いている。


誰も話さない。


だが。


最近、“何となく”知っていた。


書くと落ち着く。


確認すると少し楽。


理由は分からない。


その時。


ホーム端が少し黒く揺れる。


沈黙。


目のない人影。


遠い。


薄い。


以前ほど濃くない。


会社員が小さく呟く。


「○○株式会社 営業部」


名前。


場所。


役割。


人影が揺れる。


数秒。


静かに消えた。


アナウンスが流れる。


電車が来る。


朝は止まらない。


(次話へ)


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