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■ 第65話 「北欧側の夜警」

北欧世界。


深夜。


沿岸監視塔。


夜警任務の神兵達が、静かに海を見ていた。


黒い。


だが。


最近は動きが少ない。


以前のような巨大侵食もない。


神兵の一人が記録板を見る。


「本日侵食反応、三回目」


隣の神兵が苦笑する。


「減ったな」


「逆に怖いけど」


誰も否定しない。


最近は、“来ないこと”の方が不気味だった。


その時。


遠くの海面が少し揺れる。


全員が止まる。


沈黙。


だが。


現れたのは小さい影だった。


黒い鳥。


輪郭が曖昧。


以前なら即攻撃対象。


今は違う。


隊長が低く言う。


「固定確認」


神兵達が静かに神名確認を始める。


「北欧神話軍」


「沿岸監視隊」


「トール様」


黒い鳥が止まる。


塔へ近づけない。


数秒。


そのまま海へ戻っていった。


隊長が記録板へ書き込む。


『鳥型侵食個体』


『接近停止』


神兵の一人が小さく息を吐く。


「最近、こういうの増えましたね」


「様子見個体か」


隊長は海を見る。


「向こうも、試してる」


静かな夜だった。


波の音だけが響いている。


――観測記録


観測層:第3層

対象:北欧沿岸部


状態:夜間監視段階


更新:

鳥型侵食個体を確認


変化:

侵食個体小型化傾向


評価:

局所防衛安定中


補足:

侵食側は接触距離確認を継続している可能性あり


追加記録:

夜間侵食頻度 微減少


結論:

北欧側夜間管理体制 継続中


(次話へ)


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