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■ 第64話 「静かな教室」

現実世界。


日本。


高校。


昼休み。


雨宮 美咲は窓際へ座っていた。


教室は普通だった。


笑い声。


雑談。


スマホ。


日常。


それでも。


最近、美咲には違和感があった。


“神話”の話題が減っている。


以前なら。


ゲーム。


漫画。


動画。


どこかで神話ネタが出ていた。


今は少ない。


自然に。


誰も触れない。


友人の一人がスマホを見る。


「最近、都市伝説系おすすめ出なくない?」


別の友人が頷く。


「分かる」


「なんか興味続かないんだよね」


美咲は黙る。


掲示板を知っている。


黒い夢を知っている。


だから分かる。


これは“自然”じゃない。


その時。


教室の窓が一瞬だけ黒く揺れる。


沈黙。


美咲だけが気づく。


“目”。


薄い。


以前より遠い。


美咲はポケットのお守りを握る。


鈴の音。


ほんの小さい。


“目”が少し揺れる。


数秒後。


消える。


友人達は気づかない。


普通に会話を続けている。


美咲は窓を見る。


静かな昼。


何も起きていない。


それでも。


世界は少しずつ変わっていた。


――観測記録


観測層:第3層

対象:現実世界


状態:日常侵食段階


更新:

神話話題減少傾向を継続確認


変化:

局地視認事例 継続中


評価:

忘却侵食 日常浸透段階


補足:

一般人の大半は侵食へ未認識状態


追加記録:

日本側局地抵抗反応を確認


結論:

現実世界侵食 静的進行中


(次話へ)


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