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■ 第50話 「エジプト側探索隊」

エジプト世界。


黒化ナイル周辺。


小規模探索隊が編成されていた。


戦闘ではない。


調査。


最近、各神話世界で増えている。


“何が起きているか確認するため”。


セトが先頭を歩く。


後方には神兵数名。


トートも同行していた。


「本当に来る必要あるのか?」


セトが振り返る。


トートは資料を見ながら答える。


「現地観測は重要です」


「机だけでは分からないことがあります」


セトが鼻で笑う。


「学者らしいな」


ナイルは黒かった。


以前より広い。


だが。


最近、拡大速度は落ちている。


ギリシャ側から共有された存在固定対策。


エジプト側でも試験運用が始まっていた。


神兵の一人が、小声で神名確認をしている。


セトはそれを見る。


「慣れたか?」


神兵は苦笑する。


「最近、やらないと不安で……」


沈黙。


全員が否定できない。


その時。


ナイルの奥で、水面が揺れた。


全員が止まる。


だが。


何も出てこない。


トートが記録板へ書き込む。


『反応あり』


『接触なし』


最近はこればかりだった。


侵食存在は、近づく。


見る。


だが。


以前ほど積極的に来ない。


セトが空を見る。


黒い。


それでも。


少し前より静かだった。


「……嵐の前って感じだな」


トートは返答しない。


ただ、記録を続けていた。


――観測記録


観測層:第3層

対象:エジプト世界


状態:局地探索段階


更新:

探索隊行動を確認


変化:

侵食存在接触率 低下傾向


評価:

静観段階 継続中


補足:

存在固定対策が一部安定化へ寄与


追加記録:

探索記録行動を確認


結論:

各神話で探索段階へ移行中


(次話へ)


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