↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Archive:神話戦争 ―信仰を奪う神々―  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
315/321

第322話 資料室へ届いた一枚の葉

夕暮れ。


資料室の窓から、風に乗って一枚の葉が舞い込んできた。


久世は机の上へ落ちた葉を拾い上げる。


見覚えのない形だった。


日本の木ではない。


北欧でもない。


ケルトとも違う。


柿崎も葉を見つめる。


「どこの神話圏か分からないわね。」


「分からないまま残しましょう。」


久世は小さく笑った。


分類できないものを無理に決めつける必要はない。


資料室は答えを作る場所ではなく、世界を残す場所だからだ。


葉は乾いている。


しかし折れてはいない。


久世は新しい保存箱を取り出し、柔らかな布の上へそっと置いた。


品名。


『未分類の葉 一枚』


それだけを書き添える。


外では子どもたちの笑い声が聞こえていた。


商店街では夕飯の支度が始まり、駅前では会社員たちが家路を急ぐ。


その日常は、神話とも侵食とも無関係に流れている。


だが久世は知っていた。


誰かが生きる毎日こそ、世界を支える一番強い記録なのだと。


保存箱を棚へ戻す。


資料室には静かな紙の匂いだけが残り、夕暮れの光が長く床を照らしていた。


(次話へ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。