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Archive:神話戦争 ―信仰を奪う神々―  作者: 竜太郎


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第218話「何が止まっているか」

老人は空を見上げながら話した。

「昔、この圏では喧嘩が多かった。神々も、人も。言い合って、対立して、それでも翌朝にはまた一緒に動いていた。摩擦があった。今はその摩擦がない。何かが摩擦を食べている。」

「侵食は、争いを消すんですか」「争いじゃない。違いを消す。お前とわしが違う存在だという感覚を、少しずつ薄くする。違いがなければ摩擦も生まれない。摩擦がなければ動かない。動かなければ、記録が止まる。」

「記録が止まると何が起きますか」

老人はクレアスをまっすぐ見た。「忘れる。何があったかではなく、何であるかを。」

クレアスはしばらく黙っていた。アテナに何を持ち帰ればいいか、今分かった。問いへの答えではなく、問いの立て直しだ。

観測層:第1層 記録単位:侵食概念記述


備考:「違いの消去」という解釈はArchive既存分類と部分的に一致。精度評価:高。


記録主体:Archive 状態:稼働中

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