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第210話「資料室に届いた封筒」
封筒が届いたのは午後三時だった。
差出人の名前がなかった。消印もない。資料室の住所だけが書いてあって、ポストに入っていた。久世が気づいて、開けた。中身は一枚の紙。「この町の西側、川沿いの古い橋の下に石が積んであります。数えてみてください。」それだけだった。
文字の筆圧が妙に均一だった。人間が書くと、自然に強弱が出る。この文字にはそれがなかった。
夕方、久世は川沿いに向かった。橋の下に降りると、石が積んであった。丁寧に、崩れないように。数えた。四十七個。それが何を意味するのか、その時はまだ分からなかった。手帳に書いた。「石、四十七個。積まれている。理由不明。」
観測層:第4層 記録単位:情報接触 対象個体:久世恒一
備考:発信源不明の接触を確認。久世の記録行動は継続している。
記録主体:Archive 状態:稼働中




