表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
160/285

第160話 第六の赤線

ギリシャ世界。


資料室。


夜。


灯り。


紙束。


人。


増え続けている。


保存班。


口伝班。


複写班。


監視班。


誰も暇ではない。


アテナが報告を見る。


『掲示情報消失』


『海面露出確認』


『空白祭壇確認』


沈黙。


長い。


若い神兵が言う。


「残っているのに」


誰も続きを言わない。


残っている。


だが。


意味だけが消える。


名前だけが消える。


記録だけが消える。


アテナが静かに赤線を引く。


六本目。


分類名。


『意味侵食』


部屋が静かになる。


今までとは違う。


存在を消すのではない。


意味を消す。


信仰を消す。


記憶を消す。


そのための侵食。


窓。


黒い揺れ。


今日は。


十分。


消えない。


誰も目を逸らさない。


外。


誰かが空白を見つめ。


誰かが海を見張り。


誰かが失われた祭壇を記録する。


世界はまだ残っている。


だが。


静かに。


確実に。


奪われ続けていた。


(次話へ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ