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第147話 空白の行

ケルト世界。


保存庫。


夜。


灯り。


写本。


机。


若い神兵が古い記録を整理していた。


その時。


手が止まる。


一行。


空白。


以前は無かった。


記録上では。


神名。


だった。


はず。


だが。


今は空白。


墨が消えたわけではない。


削られたわけでもない。


最初から無かったように見える。


若い神兵が老神兵を呼ぶ。


確認。


沈黙。


老神兵が静かに言う。


「始まったか」


短い言葉。


森奥。


狼。


十一匹。


境界の向こう。


並ぶ。


越えない。


待つ。


風。


霧。


写本。


空白。


初めてだった。


記録そのものが。


削れ始めた。


(次話へ)


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