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145/203

第145話 忘れた待ち合わせ

現実世界。


昼。


地方都市。


駅前。


曇り空。


大学生の男女が立っていた。


待ち合わせ。


友人を待っている。


スマートフォン。


時計。


連絡。


異常なし。


だが。


男が首を傾げる。


「どこだっけ」


沈黙。


女も止まる。


待ち合わせ場所。


いつも使う名前。


分かる。


だが。


出てこない。


駅前広場。


噴水。


古い呼び名。


思い出せない。


スマートフォンを見る。


書いてある。


読める。


だが。


数秒後。


また消える。


二人は顔を見合わせる。


少し不安。


少し怖い。


その時。


上空。


黒い鳥。


六羽。


旋回。


低い。


以前より。


かなり。


だが。


降りてこない。


男がスマートフォンへ記録する。


『地名保持困難』


最近。


こういう報告先が共有され始めていた。


世界は静かに変わっていた。


(次話へ)


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