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第131話 読めない一文字
ケルト世界。
森外縁。
夕方。
霧。
境界石。
神兵達が集まる。
土地名。
森名。
神名。
今日も読む。
忘れないため。
若い神兵が止まる。
沈黙。
石。
欠けた部分。
ついに。
一文字。
完全に読めない。
風。
誰も声を出さない。
老神兵が前へ出る。
石へ触れる。
目を閉じる。
「記録を持ってこい」
短い指示。
保管庫。
古い写し。
過去の記録。
残していた。
若い神兵が走る。
森奥。
黒い狼。
七匹。
近い。
だが。
越えない。
待っている。
試している。
老神兵が静かに言う。
「だから書き残した」
「忘れる前にな」
風。
木々。
狼は消えない。
境界も消えない。
まだ。
残っていた。
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