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第132話 保存という戦い
ギリシャ世界。
資料室。
夜。
灯り。
紙束。
机。
以前より。
かなり増えた。
神兵達が忙しく動く。
最近。
新しい部署が作られた。
保存班。
記録を写す者達。
神名。
土地名。
境界石。
夢。
全て残す。
失われる前に。
若い神兵が紙を運ぶ。
「戦場より忙しいな」
別の神兵が苦笑する。
「今の戦場はここだ」
短い返答。
アテナが報告を見る。
『輪 十一』
『海中影持続増加』
『境界石一文字消失』
沈黙。
窓。
黒い揺れ。
今日は長い。
十秒。
二十秒。
消えない。
“観測”。
だが。
接触はない。
アテナが静かに書く。
『資料室』
『観測反応 中』
『接触なし』
外。
誰かが坂を登る。
誰かが海を見る。
誰かが名前を記録する。
世界は壊れていない。
だからこそ。
残す。
忘れないために。
それが今の戦いだった。
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