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第119話 森の欠片

ケルト世界。


森外縁。


夕方。


霧。


境界石。


神兵達が集まる。


今日も。


名前を読む。


土地名。


森名。


神名。


忘れないため。


若い神兵の足元。


小さな石片。


境界石の欠片。


昨日より少し増えた。


急ではない。


だが。


進んでいる。


老神兵が静かに拾う。


「持ち帰れ」


「記録だ」


誰も騒がない。


森奥。


黒い狼。


今日は四匹。


近い。


だが。


越えない。


見ている。


待っている。


試すように。


神兵達が静かに祈る。


風。


木々。


狼が少しだけ後ろへ下がる。


だが。


消えない。


老神兵が呟く。


「まだ残ってる」


「だから呼ぶ」


森は静かだった。


世界は少しだけ削られ。


少しだけ守られていた。


(次話へ)


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