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第112話 静かな報告

ギリシャ世界。


資料室。


夜。


紙。


灯り。


報告。


また増えた。


駅。


夢。


海。


境界。


全部。


小さい。


だが。


確実。


神兵が紙を運ぶ。


最近。


眠る者が少し減った。


理由。


分からない。


だが。


対処法が広がり始めている。


名前を言う。


祈る。


場所を覚える。


一人にならない。


少しずつ。


知識が増えていた。


アテナが静かに記録を見る。


『共通夢増加』


『鳥高度低下』


『海中影確認』


『境界石劣化 微小』


沈黙。


若い神兵が言う。


「増えてます」


アテナが答える。


「だが耐えている」


短い言葉。


その時。


窓が少し黒く揺れる。


“観測”。


誰も止まらない。


記録する。


慌てない。


世界は壊れていない。


だが。


少しずつ変わっている。


だから。


今日も記録する。


誰かが港を守り。


誰かが森を見て。


誰かが朝の駅へ向かう。


静かに。


世界は呼吸していた。


(次話へ)


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