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第110話 北海の霧

北欧世界。


海岸監視所。


昼。


霧。


波音。


神兵達が静かに海を見る。


最近。


海が少しだけ近い気がする。


感覚。


数字ではない。


だが。


皆が言う。


沖。


輪。


また現れる。


一つ。


二つ。


三つ。


以前より少し増えた。


だが。


何も出ない。


若い神兵が言う。


「待ってるんですかね」


先輩神兵が海を見る。


「測っとる」


短い返答。


高空。


黒い鳥。


今日は少し低い。


だが。


まだ遠い。


塔下。


漁師が網を直す。


子供が魚を運ぶ。


生活。


動いている。


その時。


霧の向こうで一瞬だけ。


巨大な影。


沈黙。


誰も叫ばない。


すぐ消える。


神兵が書く。


『海中影確認』


『持続三秒』


『接触なし』


海風。


冷気。


それでも。


港は止まらなかった。


(次話へ)


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