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第109話 駅の朝

現実世界。


朝。


地方駅。


始発前。


少し曇った空。


ホームに数人。


会社員。


学生。


老人。


誰も大きな声を出さない。


最近。


少しだけ増えていた。


眠そうな顔。


夢を見た者。


駅員が小さく時計を見る。


その時。


女子高生が立ち止まる。


空。


遠く。


黒い点。


鳥。


以前より。


少し低い。


だが。


近づかない。


女子高生が小さく言う。


「またいる」


隣の老人が頷く。


「最近よく見るな」


沈黙。


電車の音。


風。


その時。


駅構内放送が少し途切れた。


短いノイズ。


すぐ戻る。


誰も騒がない。


ただ。


駅員が裏で小さく紙へ書く。


『鳥型確認』


『軽度設備異常』


『接触なし』


ホームに電車が入る。


人は乗る。


会社へ。


学校へ。


生活は続く。


怖い。


だが。


止まれない。


だから今日も。


朝は来ていた。


(次話へ)


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