表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/73

不定期配信

 呆気に取られたまま配信は終わった。

 どうやらこれはアルディア国民へ向けての一斉配信のようだ。聖母の私がしていたような、日常的で他愛のない内容。

 いなくなった聖母の代わりに、国王のダグラスが?


 てっきり二代目の聖母が据えられたのだと早とちりして、そうではなかったと知ってホッとしている自分がいる。

 自ら捨てて、戻るつもりもないのに。なんて身勝手で欲深いのか。


 ダグラスの撒いた種の芽はいつ出るだろう。

 それが気にかかって仕方ない日々が続き、十日後にようやく受信鏡が再びピカピカと光った。


 お風呂場にも受信鏡を持ち込むようになっていた私は、浴槽の中で慌ててそれを開いた。

 受信するだけの側は相手側に姿を見られることがないので、こういうときに便利なのだと分かった。


 二度目の配信は前回の宣言どおり、畑に芽が出たという報告だった。五分ほどの短い配信に釘付けになった。


 それ以降もダグラスの配信は大体十日に一度あった。きちっとした日も時間も決まっていない。配信時間もすごく短かったり、少し長かったりとバラバラだ。


 毎日必ず配信していた私と違い、ダグラスは本業があるので忙しく、その合間を縫って国民へサービスをしているのだ。

 しかし不定期のそれを心待ちにしている身としては、いつ不意打ちで受信鏡が光るとも知れず、ソワソワしてしまう。

 先日はロズペタでバイト中に配信があったらしく、後でそれに気づいて悔しい思いをした。



「アイリーナちゃん、最近ぼんやりしてることが多いけど、悩みでもあるのかい?」


 アデルさんに心配されてしまった。


「私もそれ思ってた。仕事中急にソワソワして変なミスしたり。大丈夫?」


 ハンナの言葉にギクリとした。

 配信が気になって、エプロンのポケットに受信鏡を入れているのが良くなかった。光っても結局見ることはできない。焦ってミスを誘発するだけだった。


「本当にごめんなさい。気をつけます」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ