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嫉妬

 かくして私は無事に、アルディア王国の楽園へ舞い戻ってきた。

 私が不在の間、使い魔のヨゼフィンとアンフィーサがガーデニングに力を入れていて、植わっている苗や木が増えていた。エクリシア帝国からの配信を二人も見ていたらしく、ヴァレンシア城の植物園に負けないものを作りたいようだ。


 配信といえば、ここしばらくのネタには困っていない。その少し豪華になった庭を歩いて回ったり、帰国時にエリオス王子が持たせてくれたエクリシアの特産品を小出しに紹介している。


 私のバカンス先がエクリシア帝国だったと特定される可能性はあるが、もう帰って来ているので問題はないだろう。ダグラスからも注意されていない。


 そのダグラスといえば、帰国して一番の通信で泣いていた。あの美しすぎる王子に私がほだされ、戻って来なかったらどうしようと不安だったそうだ。


「ああアイリーナ、エリオス王子とどのように過ごしていたのか、事細やかに報告しておくれ。彼にどういう風に触れられて、何度唇を重ねたのか。あの美しい王子に愛されてどうだった? 彼とそうしている間、私のことを少しは思い出してくれたかい?」


 ああうざったい。通信鏡に映る情けない表情も、演技がかった口調も、潤んだ甘い瞳も。憎いのに手放せない。

 何より腹立たしいのは、私が事細やかに報告する内容に、一種の喜びを見出している点だ。胸が痛い、苦しい、嫉妬で気が狂いそうだと言いつつ、その状況に酔って興奮しているように見える。

 第一、私をエリオスのもとへ遣わしたのはダグラス本人なのに、被害者ぶって興奮しているなんて意味が分からない。


 いや。薄々勘づいてはいたが、ダグラスってちょっと変態なのでは。

 通信するたびにささやかな復讐を果たす私が悪いのかもしれないが、もはやそれがダグラスにとってはご褒美になっているなんて。


 私に傷つけられたくて、鏡で呼び出せばすぐに顔を出す。なのに絶対に会いには来ない。

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