神代封呪録・第五章 試練 第一節 百鬼夜行 第六話 招待状
神代封呪録・第五章 試練 第一節 百鬼夜行 第六話 招待状
妖気が染み付いている真っ黒な封筒が、我が家に届いた。
差出人は大獄丸、宛名は神代蒼真様と記されている。
「お父さん、大獄丸から、手紙が届いたよ」
その声に、台所にいた全員の動きが凍りついた。
緊迫した空気が漂う中、蒼真はペーパーカッターで慎重に封筒を開けた。中から出てきたのは、一枚の便箋だった。
『貴殿の戦い振り、噂を聞いて驚いています。
是非、私と一対一の対決を行って頂きたい。
もし、私に勝つことが出来たなら、今後、一切、百鬼夜行は行いません。
戦いの場所は、当方の洞窟。
勝敗は、相手が死ぬまで戦うこと。
日時は貴殿に合わせますので、返信封筒の便箋に記載して返信して下さい。
以上』
「父さん、戦うの?」
息子である蒼也が不安そうな声で聞いた。
蒼真は厳しい表情のまま便箋を見つめ、静かに首を横に振る。
「いや、この手紙は、父さん個人の判断だけで決めることはできないよ。これから討魔庁に行って、上層部と協議してくる」
蒼真は蒼真は手紙を折りたたみ、鞄にしまった。
「夕方には帰るよ。レイカ、夜ご飯、よろしくね」
百鬼夜行の首魁からの直接の挑戦状。それは、神代家だけでなく、討魔庁全体をも巻き込む過酷な戦いの始まりを告げていた。
家族の心配を背に、蒼真は決意を秘めた眼差しで玄関の扉を開けた。




