神代封呪録・第五章 試練 第二節 共生 第十二話 ボランティア
神代封呪録・第五章 試練 第二節 共生 第十二話 ボランティア
南町スパがオープンしてから、今日で一週間が経った。
今日は、日曜日。
今まで、平日対応であったが、休日の対応は初めてだったので、蒼真は南町にむかい、バスを降りると、蒼也の彼女である楠木さやかがいた。
蒼真は、疑問に思い、楠木に近づいた「楠木さん、おはよう。蒼也と来たの?」
お父さん、おはようございます。いいえ、蒼也君は、今日も、剣道の練習です。お父様に勝つんだと言って、毎日、頑張ってますよ。お父様も負けずに、頑張って下さいね。
「あははは...うん、頑張るよ。」
では、楠木さん、一人だよね?何しに来たの?ボランティアです。図書館の本を読んで聞かせています。私、初めて知ったのですが、南町って文字が読めない方が結構いらっしゃいます。で、私が、図書館の会議室を借りて、本を読んでます。本を読み終えたら、文字の読み書きを一時間おしえてます。上達の早い方がいれば、遅い方もいますので、マンツーマンで教えてます。
もう、皆さん、自分の名前と住所は書けるようになりました。あと、ハローワークのパソコンが皆さん入力できないので、サポートしています。
昨日は、一件、内定をいただいた方がいて、とても喜こんでました。
人間、妖、隔てることなく、ボランティアをさせていただいているのでとても嬉しいです。
蒼真は、楠木さんの言葉を聞いて、胸が熱くなった。
しばらくすると、赤鬼君と影法師君がはいってきた。
「楠木さん、おはようございます」
「神代大臣、おはようございます」
楠木は聞いた「今日は何の本を読む?
赤鬼君は即答した「泣いた赤鬼!」
「今日も泣いた赤鬼?」楠木は笑った。
「よし、じゃ、ひとりで読めるよう、練習してみる?」
「僕に出来るかな」
「できなくてもいいよ。やることに意味があるんだよ。それは、自分の財産になる。
そして、必ず、読めるようになる。大丈夫。
お姉さんが責任を持って教える。
すると、人間の老人が入って来て言った。
「私は、戦争で学校に行けなかった。私にも、文字の読み書きを、教えてくれないか?
もちろんいいですよ。
楠木は笑顔でこたえた。
第十二話 了




