神代封呪録・第五章 試練 第二節 共生 第四話 家族
神代封呪録・第五章 試練 第二節 共生 第四話 家族
家族
朝、神代蒼真は、赤鬼が入院する病院に向かった。
そして、病室に入ると、主治医が回診中だった。蒼真は、主治医に聞いた。
「いつ、退院出来ますか?」
「来週ですよ。」
「良かったね!赤鬼さん、赤鬼君。」
蒼真は、自分のことのように喜んだ。
それが、赤鬼には、嬉しかった。
赤鬼は、自分のことのように心配してくれる人間がいるとは、思わなかった。
「今日は、良い知らせがあるよ。」
良い知らせ?赤鬼の親子は首を傾げた。
「お二人の住まいが決まりました!
来週から、住めます!
朝、夜の食事もつくし、トイレもお風呂もあるよ。
あと、病院への通院や学校への通学のシャトルバスもある。
あと、マイナンバーカードも貰えるんだ。」
「マイナンバーカード?」
「そう、人間が使っている同じカードだよ。
そのカードがあれば、仕事も見つかるし、病院の通院も可能になるんだ。」
「赤鬼さん、失礼なことを聞くかもしれませんが、奥さんはいますか?」
「はい、います。でも、人間を怖がって、今は、山奥にいます。」
「奥さんも一緒に住まれては如何でしょうか?」
「うーん、どうかな...」
「赤鬼君、お母さんと一緒に住みたい?」
「うん、住みたい!!」
「じゃあ、今から、一緒に行ってみようか?」
蒼真は、赤鬼のお父さんに確認した。
「いいですか?」
「はい、是非、お願いします。」
蒼真は、秘書の池田さんにお願いし、三輪さんに、病院前に車を回してもらうよう伝えた。
「赤鬼君、この山道でいいのかな?」
「うん、左に神社が見えたら、そこの神社に隠れて住んでいる。」
山道を進む車の窓から、深い緑が流れていく。
「食事はどうしてるの?」
草やキノコを食べているよ。
「来週から、一緒に美味しいもの食べるね!」
うん、楽しみー!
神社に着くと、赤鬼君が叫んだ。
「おかあさーん!僕だよ!出てきてー!」
すると、神社の境内から女性の赤鬼が出てきた。
「こんにちは。神代蒼真と申します。」
「私は赤鬼の母親です。」
「お母さん、この人、神代大臣!お父さんを助けてくれたんだよ!」
「助けた?
「はい、お父様は、脳梗塞という病気になり、手術しました。手術は成功しました。」
「お母さん、お父さんに会いに行こう!」
「神代大臣!お母さんも車にのせてくれる?」
勿論!蒼真は、笑いながら皆、車に乗った。
車の中、蒼真は、母親に今までの経緯や今後の生活について、話した。
そして、病院に着くと、全員、赤鬼の病室に向かった。
「あなた!」
赤鬼のお母さんは叫んだ。
「お父さん、お母さん連れてきたよ!」
「みんなで、一緒に住もう!
神代大臣、いいんだよね?」
「勿論だよ。毎日、美味しいものを食べて、温かいお風呂に入って、みんなで楽しく住もう!」
赤鬼の母親は、半信半疑だった。
「何故、無料なのですか?」
蒼真は、言葉を選びながら、話した。
「正確には無料ではありません。」
「人間と同じように働いて、収入に応じて、税金を払ってもらいます。そして、その税金を納めてもらい、生活して頂きます。」
「私も働けるのですか?」
「はい、例えば、施設の人達に食事を作ったり、お皿を洗ったり、お風呂を磨いたり、沢山、仕事があります。
勿論、給与も、もらえますよ。」
「えっ!?本当ですか?」
「神代蒼真は、嘘は尽きません。」
蒼真は、聞いた。
「赤鬼さん、赤鬼くん、お母さん、みんな一緒に住んでいただけますか?」
「はい。」
全員、一致した。
神代大臣!赤鬼は質問した。
「では、来週、お迎えにきますね!」
失礼します。
蒼真は、車に乗り込み、自分の執務室に戻った。
第三話 了




