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さっく・あうと  作者: 音色利揮
五日目 六日目
32/51

31話  間違い

「これで全部揃そろったんだよな?」

「もう一度確認するか」


 忍団ーPegasusは一度、自分たちのクラスの2ーDに集まった。六人はそれぞれ撮った写真を見せ合う。


「俺のは赤の『m』だ」

「僕は緑の『n』だよ」

「私たちは黒の『p』と青の『r』だった」


 六人はちゃんと写真を互いに確かめ合った。ちゃんと書かれていることと文字の色と種類を確認できた。これでもうドアは開くはずだ。もう立直はかかっているのだ。


「よし、あとはあそこに行くだけだ」




「って浮かれてんじゃない?今頃六人は」

「ほんっと性格悪いよな」

「まあねぇ」


 秘密の場所にて、現在時刻は四時三十八分。白衣と黒衣が話し合っていた。どうやら忍団ーPegasusの六人が探し回ったことを知っているようだった。でも表情は変わらずムカついたニヤけている顔をしている。


波律(はりつ)、このまま爆破出来たらさ。どうするよ」

「喜びの舞をあげる」


 白衣に呼びかけられ質問された波律はなんだか楽しそうな顔をしていた。ちなみに波律というのは、この黒衣の苗字である。

 なぜこんなにも余裕なのか。なぜこんなにも楽しそうなのか。その理由は一つだ。


「こいつらが、偽物と気づかずにこうやって騙されるのは本当に助かる」

「頭の悪い高校だからなここは」


 洸介たち六人が一生懸命見つけた文字たちは全て偽物だからだ。それも知らずに全て探し終わって喜んでいた忍団ーPegasusは、一枚下手だったのだ。


「ここから話しても、聞こえないしねー」

「チョコってやっぱ性格悪いよな」

「まあねぇ」


 黒衣に呼びかけられ悲しいことを言われるが、チョコはなんだか嬉しそうな顔をしていた。ちなみにチョコというのは、黒衣がつけた白衣のあだ名である。

 この状況でどうドアを開けるのかを楽しみにしているチョコと波律。爆破計画を考えているだけあって用意周到である。パソコンを閉じ、監視カメラが写し出す画面をじっと見ていた。




ピッピッピッピッピッピッ


チーン


「おお、下に行っている……………?」

「すげぇー!!」


 エレベーターで地下に行くのが初めてな洸介と祥平、そして仔美と円得は下に行っている事実に驚いていた。こんな経験は初めてだ。ゲームのコマンドを打ったら隠し部屋に行けるようになるのと似ている気がして、洸介はわくわくして興奮が止まらなくなった。


チーン


「おおおお白」

「率直な感想だな」

「…なんだろう。ここだけ異世界みたい」


 初めてくる場所に違和感を持つ者が多数いる中、栖春と和貴はトコトコと何もなかったように歩き出す。それに合わせて四人も歩き出す。

 コツコツと足音が響く廊下を渡り終わったところで、例のドアの前まで来た。


「これに入力すればいいんだろ?」

「『mnppr』だっけ」


アンショウバンゴウ ヲ イレテ クダサイ


「入れるぞ…」


ピッピッピッピッ


アンショウ バンゴウ ガ マチガッテ イマス ヤリナオシテ クダサイ


「…は?なんでだ????」


ピッピッピッピッ


アンショウ バンゴウ ガ マチガッテ イマス ヤリナオシテ クダサイ


「どういうことだよ…一体……………」


 何度入力しても間違いと機械に言われて焦る栖春と和貴。確かにちゃんと正しく入力をしたはずなのに弾き返される。一体どういうことなのか、それを知る者はこの場にはいなかった。


 この六人は残念ながら、一つの勘違いにより今までの努力が全てパーになったしまった。最悪の状態だ。

 諸説あるが、最悪の状態を意味する言葉がある。それを人はこう呼ぶ。


  『サックアウト』と。

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