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さっく・あうと  作者: 音色利揮
五日目 六日目
30/51

29話  仲間のピンチ

「どうしよう…これじゃあ見つかるのも時間の問題じゃない…!」

「この最悪なタイミングで来るとは………」


 三階の少し広めの教室。仔美と円得は机の下に隠れていた。いつもなら机の下に隠れていれば見つからないのだが、何故か二人は焦っている。


さっきチラッと見えたあの影…四角いからファーストなんだろうけど…さっき机の下を見てた!このままじゃ見つかって捕まる……………!!


 三分前、仔美と円得はいつも通り散策をしていた。特に文字が見つかったわけでもなく少し焦っていた。それで教室を見ていたら一番端の教室にファーストがいたのだ。あわてて逃げたので、足音を立ててしまいそれに気づいたファーストはゆっくりこちらに向かってきている。


「どうする?」


 円得が小声で問いかけた時、教室のドアが勢いよく開いた。それに驚きビクッと体が震えた。

 そのせいで机がガタと音を立ててしまった。


やば…!!


 ファーストはそれに気づいて歩いて近づいてくる。絶体絶命のピンチが訪れてしまった。何かをできるわけもなく、メッセージで助けを求めるしかなかった。

 ドスドスと振動がこっちに向かってきている。ファーストは机を叩いた。そして機械音を発しながらゆっくり姿勢が変わっていく。


もう……………ダメだ…




どこだ??あいつら…


 ハアハアと息を切らしながら走る洸介と祥平。仔美と円得のヘルプに気づいて三階に降りてきた。幸いにも四階にいたので近いのだが、一つのフロアでも結構な広さなので探すのが大変である。

 一個一個の教室のドアを開け、探す。とにかく探す。ロボットがいるはずなのだがら、この音にも気づてほしいところだ。


「ここか!」


 一番端の教室のドアを開けた。すると机の下をのぞこうとするファーストの姿があった。この状況を何とかしようと咄嗟とっさの判断で、祥平は近くの椅子を倒した。するとファーストはこちらに気づいた。


「ばーか!」


 洸介は捨て台詞セリフを放って祥平と一緒に逃げた。それをファーストは追いかけた。


「…危ないぃ」

「あの二人には感謝しなきゃ」


 何とか危機を逃れた仔美と円得だった。




 話の焦点は洸介と祥平に移る。二人はファーストに追いかけられている途中だ。女子二人のおとりとなって今必死に逃げている。

 三階から離れて今は五階だ。様々な教室を使いながらこうとするが、いつものようにはいっていない。その原因は走りながら感じていた。


こいつ…前より速くなってる!


 足の速さが変わっているのだ。前までの約二倍は速くなっていることに気づいた洸介と祥平は、何か確実にける方法を走りながら考えていた。速くなったといっても、今までが遅すぎたくらいなので二人よりまだまだ遅い。少し考える余裕くらいはあるのだ。


「どうする」

「どうするも何も、またアレをやるしかないかも…」


 祥平の言う"アレ"とは、ロボット同士をぶつけて故障させる作戦である。だが不幸にも、近くにロボットはいないのでそれはできない。また一から策を考えなくてはならない。


「とりあえずここの教室入ろう!」


 無差別に選んだ一つの教室に一旦入ることになった。そこで策を練るつもりだ。

 ドアを開けて、閉めて、簡単に来れないように机をドアの前に設置した。さてどうするか、ここが墓場になる最悪なケースも考えている。


「まじどうする??窓から逃げる?」

「バカか骨折れるじゃ済まないぞ」


 悩んでいるとドアが勢いよく開く。やはりファーストがいた。絶望を感じたのも束の間、何故か中に入らずに廊下を歩いていった。は?と思っていたのだが、反対側のドアから入って来た。

 なにしているんだコイツと思って最初に開いたドアから逃げた。


あいつバカなのか?机くらい簡単に…


 タネに気づいた洸介はニヤリと笑った。

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