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さっく・あうと  作者: 音色利揮
五日目 六日目
29/51

28話  六日目、開始

八月三十日


九月一日まであと二日

「なんか久しぶりだな」

「一日でも感覚は忘れちゃうね」


 夜の校門前、六人は再び姿を見せに来た。祥平の怪我けがも無事に治ったと言っているので、作業の再会を始める様子だ。みんな気合が入っている。

 いつも通り学校に侵入して、散らばった。色と文字を探すかくれんぼが始まった。

 六日目、開始。


「それで、送ったやつは本当なのか?」

「ああ…」


 洸介は念のため、グループのメッセージにあの文章のデータを送っておいた。もちろんみんなはパニックになった。落ち着いたのはさっきである。


「まあ、見つければいいんでしょ?まだ四階と三階、二階は終わってないはずだ」

「今日はそこをやる感じなのか?」

「うん」


 団長も戻って、しっかり動けるということで四階から洸介と祥平はスタートした。五階は前回一応全部回ることはできたのでスルーする。トールに見つかったのだが、何回かいて何回か見つかってを繰り返していた。そのやり過ぎで足をくじく人が現れてしまっている。

 今日はなるべく安全に、静かにいくらしい。いつもからそうしとけよ何してんねん。


「あんま音立てるなよ。また来るから」

「分かってるって」


 四階は化学室や物理室があるところだ。特に化学室はビーカーなどのガラス製品がたくさんあるので気を付けたいところである。


「とはいっても、三個目。見つけたな」

「意外に大胆に書いてあるね」


 物理室の黒板に大きく書いてある。緑の『n』だ。


「これで、残すところあと一つだな」

「このまま行ったら防げるよ!」

「……………お前さぁ、そんなこと言ったら


ガチャグショ


「来ちゃったじゃん…」


 祥平が派手な台詞セリフを口に出してしまい、見事にフラグがたった。ここにきて捕まるわけにはいかないので、足音を立てないように何処か隠れる場所を探し回る。

 何処にもいい場所がない。最悪片方のドアから出てけばいいのでダメージは少ないのだが。さあどうなる。こういうときは大体


ガラガラ


「逃げるぞ」


 入ってくるのが約束なのだ。もはやそっちに期待してたくらいだ。

 ドアを勢いよく開けて入って来たのは黄色い体、ノイズであった。洸介と祥平は確認をするや否やすぐ反対側のドアに向かって走り、教室の外を出た。


「ニンゲン ノ ハッケン。ホカク ヲ シッコウ スル」


 それを察知したノイズも追いかけてきた。


「階段を上がってまたこう」

「そうだな」


 そう言いながら、二人は階段を駆け上がる。四階から五階に上がり、たくさんの教室でノイズをく、定番のやり方だ。

 何処かいい場所はないかと探していると、階段のすぐ前に家庭科の調理室があった。そこが適していると思った洸介は提案する。


「ここに入ろう」

「わかった!」


 ドアを開けて中に入った。コンロとシンクがくっついている机がたくさんあって、隠れながら逃げることができるいい場所だ。

 入って早々に一番奥の机に隠れた。高校二年生の男子でも余裕で隠れることのできる机、とても万能だ。料理も出来て洗いものも出来て隠れることもできる。

 足音と機械音が近づいてきた。二人は口に手を当てて声が漏れないようにした。


「……………アアア フライパン。アノカタ ニ ヨロコバレル ハズ」


 ノイズが入って来た。が様子がおかしい。まるで追いかけていたのを忘れていたかのように食器を見始めた。その様子をチラっとのぞいた祥平は口を開けてずっと見ていた。


「何してんだよ」

「ああごめん。そんなことより逃げるチャンスだよ!」


 二人は隙を見て何とか教室から抜け出すことに成功した。もちろんノイズは気づいていないので、完璧にくことができたのだ。


「あとは連絡もしないとね」


 祥平は携帯をポケットから取り出す。画面を見ている、じっと見つめている。


「おい、今度は何だ?」


 そう洸介が問いかけると、祥平は無言で画面を見せてきた。グループのメッセージの画面だ。下の方を見ると、今日の今さっきに円得が発言している。


『たすけて』

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