表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さっく・あうと  作者: 音色利揮
四日目
24/51

23話  四日目、開始

八月二十八日

 和貴が送った写真に写っていたのは。あの時撮ったものだった。扉の隣にある暗証番号を入力するところだ。

 だが状況が追いつかない他の人たちは何それしか言えない。

 ていうか祥平は何してんだよ。


『赤緑黒黒青って何』

『これから何を求めるのか』

『緑は上下反対だし』

『赤と黒はわかるじゃん』

『確かに』


何か自己解決してるし…


 赤と黒に関して、この二つの色はどこかで見たことあるのだ。mとpの二つである。これは重要な手がかりだ。さすがに和貴を褒めるしかない。


『おまえよくやった』

『感謝感激』

『うぇーい』


なんだその反応は。


『じゃあ、これを学校中から見つけるのか』

『めんどくさいね』


…本当に面倒くさいな。




 現在時刻は十一時五十九分。学校前に六人は集まる。具体的でちゃんとした目標が出来上がったためか、いつもより燃えている。特に和貴が。


「よーし、いくぞお!」


 四日目、開始。

 いつも通り職員室の窓から侵入して色々あって、昨日と同じように二人三組に分かれた。

 同じ教室にあるとは思えないので、四階の3ーAの教室と校長室は調べないことにした。じゃあどこを調べるべきなのか…そんなものはない。適当だ適当。


「…………まずどこを探す」

「とりあえず手当たり次第潰すのが早いでしょ」


 洸介と祥平は一階からすべてを見まくる作戦である。シンプルかつ簡単なこの作戦はなんだかんだいって一番良いのかもしれない。


「怪しいところを徹底的に調べるか」

「そうだねぇ」


 仔美と円得は自分たちが怪しいと思った場所をくまなく探す作戦だ。時間の無駄が少なくなり効率は良い。

 一方、栖春と和貴は四人と別の行動を行うことにした。


「とりあえず、五時半になったらまた集まるか」


 念のための集合をかけて、六人はバラバラになった。




 五階の音楽室。洸介と祥平は上からどんどん候補を潰していくようだ。それで一番最初に来た場所がここである。

 一旦雑に探してみる。まあ、そんなので見つかるのであれば苦労はしないのだが。


「まあ、無いよなー」


 洸介がポツリと呟く。今から面倒くさいことをすると思うとテンションが下がっていく。やる気も無くなっていって体に力が入らなくなる。


「はいはい、不貞腐ふてくさらない!」


 祥平は洸介の気を確かにするように呼びかけるが、まるで歯が立たない。耳から入って耳から出て行っている。

 一通り見終わったので、今から詳しく見始めるところだ。掃除用具を入れるロッカーの中からピアノの中身まで隠せるところのすべてを見てみるのだ。


「それにしても、やっぱりないなー」

「まあ、ここにあるとは限らないしな」

「それもそうだよね」


 音楽室は五階の複数の教室の中から無差別に選ばれた教室である。なのでそこに求めているものがあるとは限らない。それに、この学校の中の何処かにあるとも誰も言っていないので一つの教室に時間をかけても勿体もったいないだけである。


「別のところいくか。もう三十分経つ」

「そうするか」


 音楽室のドアを開け、二人は廊下に出た。懐中電灯をつけて前を照らしながら進みだした。

 当然ながら誰もいない。仔美と円得たちは下から探し始めて、栖春と和貴たちは別の行動をとっている。足音は常に二つだけ。

 であって欲しかった。


ダンダンダンダン


「…なあ」

「言わないで」

「今までと足音が違いすぎない?」

「黙って」

「まさかな」

「…もうやだなぁ…………………」


 何処からか足音が聞こえてきた。二人の人間の足音とは違う、地面を殺すくらいの勢いで蹴り飛ばす音だ。同時になんかガシャガシャと鳴るし、確定演出が出て祥平はとてもテンションが下がる。


「まあ、足音デカくてわかりやすいな」

「早く逃げよ」


 普段のロボットとは違って足音がいつもより大きい。音楽室は五階で端っこの教室だが、聞こえてくるのはやはり音自体が大きいからだ。

 階段の方に向かった洸介は降りる前に少しチラっと廊下の奥を見た。

 青色の光が二つ。それしか情報が入らない。いや逆にそんな情報が入ったのだ。


「足の速いトールか…」


 USBメモリに書いてあった特徴の一つに足が速いと書いてあった。他のロボットは人間と同じくらいのスピードなので、洸介はよく考えてみた。


つまり………俺なんかよりずっと速いのか。


「逃げるぞ本気で」

「分かってる」


 二人は階段を降りる時、こちらに音が近づいてきた。懐中電灯を照らすと、さっきまで奥にいたはずがもう教室の前にいた。


「やっべ!」


 急いで階段を降りて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ