15.強そうな「滅紫」
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
久々に、思い付きエッセイ投稿です!
こんにちはー、ふとんねこです。
寒いなーと思って起きたら布団が吹っ飛んでいた。おう、早朝から切ない気持ち。
今日は以前、所謂なろう系と呼ばれる小説をチラ見した時に見た色名について書こうと思います。なんかこの色、ネット系のラノベでよく見る気がするんですよね。錯覚かな。
あ、読者様に「私の作品なろう系じゃないけど使ったわい!」って方いたら、ごめんなさい。許してくだされ。
ドドン→滅紫
ラノベで見るのは字面が格好良さげだからかな(そもそもラノベ、あまり読まなかったです。やっぱり錯覚だな)。なんか強そうですよね。
訓読みで「けしむらさき」音読みで「めっし」と読む。どっちで読んでも良いけど多分訓だとスマホで変換できない、そんな古い紫の一種です。
ムラサキという植物の根である紫根で染めた黒赤の強い暗い紫で、似ている色は……咄嗟に出てきたのは紫アスパラ……いや、巨峰の皮、かな。
巨峰だと黒っぽすぎますので赤を少し足したくなります……あ、葡萄色と書きますと「ぶどういろ」ではなく「えびいろ」と読みまして、かなり赤の強い紫になりますからご注意です。ま、読みが分かれば何色か分かるのでそこまでご注意じゃない話ですね。
ふとんねこは似た色を使いたい時、イメージを読者様に伝えるのが面倒く……大変なので「黒紫」とか「限りなく黒に近い紫」とか書いてます。
この紫根……ムラサキの栽培は奈良時代に始まりました。様々な紫に染め上げるこの紫根、敢えて高温で染めることにより、暗い紫になるそうです。
(単なる好みの話ですが、ふとんは明るい紫の方が綺麗だと思うんですよねぇ。いやぁ、暗い紫も、高貴に渋くて「宮廷文化の雅マジ馥郁と薫ってるー」みたいな感じしますけどね?)
紫は高貴な色でしたから、栽培から染色まで厳重に管理されており、宮廷では参議(そこそこに偉い人)以上の位の人しか着られない色でした。
延喜式のたしか、第14巻だったかの縫殿寮の項目にこの色について詳しい記述があり、染めるための染料の配合まできっちり残っております。
(この延喜式第14巻、縫殿寮についての話の染物についての項目は、天皇陛下のあの黄櫨染御袍の黄櫨染から始まります)
配合を変えることで、伝統色によく見られる濃淡の言い分けの「浅、中、深」を冠する3種類に染め分けられます。
うーむ、書いてみるとすごい色ですね。
歴史的にもめっちゃ古く、高貴なカラーだから、ラスボスとかに似合いそうです。
さて、漢字が多くて疲れそうなので今日はこの辺りで。また次回の思い付き的お話にもお付き合いいただけたら幸いです。




