第13話 料理無双
第2話 空調無双の後日談として……
オレの左手には聖龍の刻印(のようなただの痣)がある。(最近少し黒ずんできた……)
それは特定の角度から見た時に現れる魂の紋章。オレが厨……中二の時に交通事故に遭い生死の境を彷徨った(気になっている)時に異世界の神がオレの生命を惜しんで救ってくれた(と考えている)証のようなものだ。
あの時に異世界への転生を垣間見た(ような気がしている)オレは何時向うの世界へ再召喚されても困らないようにと、こちらの世界の知識を学び続ける宿命を負っている。
さて、前回まで異世界での生活や魔王との戦いについて様々な角度から検証を続けてきたオレだが、ここで人が生きて行く上で欠かす事の出来ないモノに早くも気が付いた。
――食事をどうするのか?
21世紀生まれの上品な環境で両親から大切に育てられたこのオレだが、こう見えても胃腸がとてもデリケートに出来ており今は亡き祖母に誓って二度と口にしない食材がいくつもある。そんなある意味縛りプレイ的な食生活を送っている高尚なオレの口に合う料理や菓子が果たして向うの世界にも存在しているのだろうか?
まだ見ぬ異世界の食料事情など何も情報が無い状況で希望的観測を元に行動計画を練るなど愚の骨頂だが、漢とは――いかなる状況へ追い込まれたとしても事前に最悪の条件を想定し対策を立ててそれら苦難を乗り越える者を指す。
ここでオレが作れる様々な料理についてリストを上げておこう。先ずは目玉焼きに玉子焼きだろ、それからオムレツとは焼きそば、それにお味噌汁……。
何故か途中からとても虚しくなってきたのだが、きっと気のせいだろう。このように様々な知識を持っている(気になっている)チート無双的な存在であるオレにも弱点が有るという事が判っただけでも収穫としよう、オレは後ろを振り返らない漢だから次善策を考えれば何とかなるだろう。
ではどうすれば良いのだろうか? ……オレの心が答える。
――誰かに作って貰えばイイじゃん。
そう言えば今まで忘れていたのだが異世界へ渡るオレの目的(というか夢?)はハーレムパーティの女子たちとキャキャウフフな生活を送る事だったはずだ。だからその中に誰か一人くらいは料理が得意な女子が居るはずだ……というか居て欲しい、いや居てくれ。そうしないとオレの異世界生活が絶対に成り立たないような気がする……。
異世界へ行くからと言ってもその全てを自分一人でこなさなければいけない訳では無い。かの有名武将もこう言っていたではないか”(女の)人は石垣、(女の)人は城”と。それはオレのハーレムパーティの女子たちこそ得難き宝であり、モフモフでウハウハだと言う事だろう。
自分に足りない能力をお互いに補い合ってこそ真のパーティメンバーと言えるが、出来ればオレは何もせずに女子たちに頑張って貰えればイイなぁ~とも考えている。こうして異世界での料理対策に一定の目処が立ったオレは次なる問題について思考の旅に出る。
『よくぞここまで辿り着いたな勇者どもよ!』
「あの、いつも悪いんだけど、また魔王城のトイレをお借り出来たらなっと……」
『何か悪い物でも食したのか? 今の時期は食材が湿気て腐りやすいから重々気をつけるのだぞ。ほら、以前にも教えたから一人で行けるだろう。そこの角を曲がって……』
……オレの苦悩は続く。
(;´・ω・)「美味しい料理を作るのって何気に難しいですよね?」
( ゜Д゜)「味以前の問題だがや……」
これまでの戦績
1勝10敗(不戦敗9・完封負け1)
1引き分け・無効試合1




