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親より先に死んだ俺。異世界で徳を積んで無双したい【改稿版】  作者: 田舎浪漫


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第46話「えーと……何で!?」

 


 気を取り直して、俺は話を戻した。


 とりあえず、最後まで聞かなければ話にならない。


「……それで、最後の魔王は?」


 ユータが資料をめくり、答える。


「最後は――ダイロクテン魔王ですね」


「……おい、コーセー」


 同じ転生者のヤスオが、その名の重みに気づいて声をかけてくる。だが、俺はそれを手で制した。


「どんな魔王なんだ?」


「この魔王は、記録上、最古の魔王になります。場所や地域を問わず出没し、各地で様々なトラブルを起こしています」


 ユータは淡々と続ける。


「神出鬼没で、数百年単位で現れては消えるため、実在を疑う者も多いですが、被害記録だけは確実に残っているんです」


 ですよね。時空旅行しながら「我は第六天魔王だー」って叫んでたよ、あのちょんまげエルフ。


「マジか。本当にあの織田信長なのか?」


 ヤスオが目を丸くする。


「ああ。ロザリーが歴史書で読んだ信長を気に入ってな。時空旅行で見に行ったんだ。そのまま仲間にしたがな」


 思い出すだけで頭が痛い。


「……っていうか、ユータ。その第六天魔王、最新の目撃情報は?」


 ユータは資料をめくりながら答えた。


「ええと、一番新しい記録では、三十年前です。東の果てで『これからは、ビームの時代だ』と叫びながら、見たこともない光線兵器で砦を一撃で消し飛ばした、という報告が……」


「あー、記憶あるわ。それ、俺たちもいたな。ノーベルが『ダイナマイトなんて骨董品だー』って開発したやつを、試し打ちしたし」


 ま、信長のことは、今はいいか。それよりも、魔王が仲間にいることで、判定さんにペナルティを科されないかが心配だ。


《ピコーン! 倶生神部では、魔王認定は冤罪と判断しています。人類が勝手に決めたことですので》


 ふぅ、良かったー! だよね、人類が勝手に決めただけだしね。


《ピコーン! ただし、一年以内に汚名を返上できなければ、徳ポイント△400万ポイントが加算されます。汚名返上とは、魔王認定の撤回、または人々の恐怖の解消を指します》


 えーと……何で!?


《ピコーン! 仲間にいる魔王は四柱。一柱につき△100万ポイントの加算ですね。魔王認定は冤罪ではありますが、人々を恐慌させているのは事実ですので。人々の百人に一人が怖がっていると考えられ、そちらの世界の人口一億の百分の一×1ポイントの計算です》


 くっ、くそったれ。


《ピコーン! 今のは誰に向けられたものでしょうか? まあ、私的に放送禁止用語です。△5ポイント》


 ぐぬぬ。


「それで、魔王が判明した訳だが、陛下の依頼はどうするんだ」


 判定さんにとんでもないマイナス告知をされて打ちひしがれていると、ヤスオがどうするか聞いてきた。


 考えるまでもないか。


「とりあえず、依頼は受けない。仲間を討伐なんてできないし、あの勇者たちは、育てたら力を振りかざしてやりたい放題になるだろ」


「そうね。討伐は論外だけど、あの勇者たちを育てるのも無いわね」


 エマが同意してくれた。そして、ずっと黙っていたレンレンが口を開く。


「ユータちゃん、私、ずっと考えていたけど、魔王に選ばれた理由が分からないのよねぇん。私が魔王に認定されたのって、いつかしらん?」


「えーと、二百年ほど前ですね。当時のアグロニア王国から、ニコタール・スカイに侵略されかけたと申請があり、認定されたようです」


「やっぱり、おかしいわん」


「レンレン、どういうことだ?」


 エマたちは何かに気づいたようで、「あっ」と声を漏らしているが、俺には何がおかしいのか分からないので、レンレンにたずねた。


「コーセーきゅん、私がいつ魔法少女に覚醒したか、覚えているかしらん?」


「うん? 五千三百年前だったかな? ホントに、その節はスミマセン。……あっ!」


「気づいたわねん。私、覚醒してから、ニコタール・スカイを名乗ってないのよん。レンレンで魔王認定なら、ちょ〜っとだけ心当たりがあるんだけどねん。私気になるから、久しぶりに天空国家に戻って、調べてみるわん」


 理由は分からないが、何か引っかかるのは確かだ。でも、レンレン一人で大丈夫か?いや、大丈夫なわけがない。


「マリン、レンレンについて行ってくれないか?」


「嫌よ」


「そういえば、天空国家スカイは、マッチョな男前が多かったなあ。マリンも、覚えてるだろ?」


「私が諜報担当ね? 任せなさい」


 よし、マリンが快く引き受けてくれて良かった。


 後は、さっきの判定さんの話をエマに共有する。直後に絶望に打ちのめされるエマに合掌して、ヤスオとユータに話しかけた。


「なんか、アグロニア王国もきな臭いな。ヤスオやユータは、何か知らないのか」


「イーサの領主は比較的ましだが、そもそも王侯貴族は、腐ってる奴が多いからなあ。叩けば色々ありそうだが……」


「そうですね。少し本気を出して調べてみましょうか」


 うん、これから忙しくなりそうだな。


「キアラとノッテも、情報を集めてくれるかしら」


「「もちろんです、お姉様」」


「コーセーっち。あーしは、何をすれば良いー?」


「マミには、作ってもらいたいものがあるんだ」


 ニヤリと笑いながら、俺はマミに説明を始めた。


「それにしても、汚名返上できるかしら? できないと、また結婚が遠のくわ」


「確かにな。それに、返上どころか、俺まで魔王認定されないように気をつけないとな」


「コーセー。それは……」


 フッ、フラグじゃないんだからね。


徳ポイント:△225,679ポイント

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