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親より先に死んだ俺。異世界で徳を積んで無双したい【改稿版】  作者: 田舎浪漫


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第10話「不労所得」


 拠点での共同生活を始めてから二ヶ月あまりが経過していた。


 周辺では【眷属召喚】で呼び出したスズメバチ部隊約500匹とミツバチ部隊約5000匹(10匹ずつしか召喚してないのに、枯れたダンジョンで勝手にコロニー作って増えた)がブンブン飛び回っている。スズメバチはテニスボール、ミツバチはピンポン球くらいの大きさだ。一応魔物みたいだし。

 地球の蜂よりもでかいから、これだけの数がいると羽音が五月蝿い。一度『五月蝿いから静かに飛んでくれ』と言ったら蜂達は激おこブンブン丸になった。ストライキを起こして蜂蜜を造らなくなったのだ。さらに、それを知ったヤスオには本気で殺されかけた。

 エマこと女王蜂様に蜂達を宥めてもらい、何とか許してもらえたから助かった。

 ちなみに、判定さんには五月蝿い発言はパワハラ&モラハラにあたると、3000ポイント持っていかれた。


「なあ。俺が召喚したんだからコイツラの主人は俺だよな」


「一応そうね」


「何でちょこちょこ背中刺されるのかな」


 今も背中にミツバチが針をぶっ刺してきた。普通に痛いわ。しかも俺は刺したら蜂生終了なのに、こいつらは終わらない。理不尽だ。


「口は災いの元よ。これからは発言に気をつけるべきね」


 ご尤も過ぎてぐうの音も出ない。


「ところで蜂蜜酒って美味いのか?」


「私はお酒を飲まないから分からないわね。でもハチミツをたっぷりかけたパンケーキは美味しかったわ」


 樽の中に溜まった大量の蜂蜜酒。そもそも蜂蜜すら作れなかった俺達だが、ミツバチ部隊の活躍で大量に手に入れることが出来た。

 そして、この蜂蜜を蜂蜜酒にする事が出来たのはマミの努力の賜物だった。


「コーセーさん。ご飯ができました。あと、お酒の方も、私の『まぜまぜ』でいい感じになってます」


 マミが笑顔で樽の蓋を開ける。そこには、透き通った黄金色の液体「蜂蜜酒」が完成していた。


『おおお! よくやったマミ! お前は最高だ!』


 俺は感激して羽を震わせ念話を飛ばす。するとマミの肩が「ビクッ」と跳ね上がる。


「ヒッ……! 『よくぞ捧げた…この黄金の雫で…世界を…焼き尽くそう…』え、えへへ、コーセーさん、今日もすっごく気合が入ってますね……。」(涙目)


 マミは俺の声に怯えつつも、最近は「きっと喜んでくれている」と解釈して相槌を打ってくれるようになっていた。

 拠点での生活が半月くらい過ぎた頃。マミにスキル獲得クエスト《個別特殊クエスト『癒やしの担い手』》が発生したのだ。そして無事にスキルをゲットした。

スキル【錬金神の加護(癒しの料理)】

 マミが取得したこのスキルで蜂蜜酒は完成させることが出来た。

 結局、俺とエマは何もせず蜂蜜酒を造り上げた。そう不労所得ってやつだ。だから、これは俺が前世で夢見ていたことが今世で叶った瞬間でもある。

 外からは凄まじい風切り音が聞こえていた。トールが素振り2000回・ランニング100kmという地獄のノルマを行っているのだ。トールもまた、マミと同じ頃に、

《個別特殊クエスト『不屈の牙』》が発生し、それを達成した。無事にスキル【獣神の加護(剣狼)】を獲得。

 トールがスキルを獲得した時には、俺もエマも涙したものだ。


『……やった。俺、ついに力を手に入れたんだ。師匠ありがとうございます』


『おめでとう、トール。……さて、感傷に浸る暇はない。スキルは使いこなせてこそだ。明日からの鍛錬は素振り2000回・ランニング100kmだ。なあに今日までのことを二倍するだけだ。簡単だろ?』


『……サーイエッサ』


 そう俺もエマも涙したのだ。心がニートな俺と社畜だったエマには、ヤスオの指導は恐怖の魔王に見えたのだった。

 そして現在俺たちは拠点の小屋の前で焚き火を囲みながら作戦会議を行っていた。


「さて、準備も終わった。明日から行動に移すぞ」


「おーい、お前らも出て来い。作戦会議するぞー」


 酒を飲んでいたヤスオが小屋に向かって叫ぶ。そして呼ばれて小屋から出てきたの5人の冒険者。重戦士の男、斥候の女エルフ、魔術師のオネェさん、治癒術師の女、弓使いの猿。


「やっと…やっと皆を助けれるんですね師匠!」


 トールが拳を握りしめ声をあげる。俺としては、直ぐに救出に向かいたかったが、ヤスオに、


『今すぐ行っても良いが、準備無しに行くんだ。被害の10や20…それ以上も覚悟しろよ?その中に2人の両親も含まれるかもしれないがな』


 と言われて断念した。トールとマミには辛い思いをさせたが、それも今日までだ。


「ああ、助けるさ。その為の準備もやっと終わったしな。それじゃ、作戦を話すぜ?」


 ヤスオが全員を見回し、それぞれが頷くのを確認する。


「まずは……………かくほー!!」


 俺達は一斉に1人の冒険者に飛びかかるのだった。


徳ポイント:△900,826ポイント

*徳ポイントの増減が前話からと合わないと思われるかもしれませんが、描ききれていないだけで、善行はしています。ご理解ください。

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