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12.エーリッヒ少将の報告書

12.Der Taktische Bericht des Konteradmirals Erich über die Kamikaze‑Einsätze


 EKMでは、実戦レベルのMe 262とMe 163を各1機、さらにHe 162を3機、すでに完成させていた。日本軍の機銃規格にあわせ、機首設計に微調整はあったが、ほぼ、第三帝国と同性能の機体だ。

 もっとも、これは試作段階から徹底的に仕上げていったからこそ実現できた水準であって、第三帝国のようにこの性能を保ったまま量産に移れるかと言うと、材料不足、資材や電力不足による加工精度の限界、熟練技術者の不足などから、見通しとしては厳しいものだった。

 持ち場の関係上、そういった状況は、だまっていても把握できた。

 時折、低音の轟音に甲高い金属音が混じる唸りのような音や、甲高い笛のような音が聞こえ、Me 262やHe 162が離陸したのが分かった。Me 262やHe 162はB-29相手に性能比較のための追従や威嚇飛行を行っていたらしい。ただ、飛行計画にはエーリッヒ少将が直接関わっていた。

 ということは、B-29の搭乗員を混乱させること以上に、日本軍部に対するEKM技術力の示威宣伝という意図のほうが強かったに違いない。

 名古屋空襲から1か月以上過ぎた3月下旬、私とグレーテは、エーリッヒ少将から鈴鹿海軍航空隊への同行を指示された。

 日本軍部との大事な会議があるらしく、その通訳としての同行だ。グレーテだけじゃないのは、私には技術的な会話に強みがあるからだ。その他数人の第三帝国と日本人の技術将校も同行する。 

 私はあの時、エーリッヒ少将を撃たなかった。少将の中には、確かな正義があるように感じたからだ。もっとも、私には人を撃つ勇気なんてない。そんなことは少将には分かりきっていたはずだ。

 狡猾なようでいて、どこか誠実さを感じさせる。それは少将が信念を持って行動しているからこそ、そう見えるのだと私には思えた。日本人のあいだで人気が高いというのも、たしかに納得できる気がしてきた。

 いずれにしても、私には少将を見極めることなんて無理だ。

「何を言われても、どんな状況になっても感情を表さないように」

 エーリッヒ少将から、私とグレーテは念を押された。冷徹で硬質な雰囲気を演出したいという、少将らしい芝居がかった意図があるようだ。

 私とグレーテは、胸ポケットに鷲章が縫い付けられた濃紺のジャケットにスカート、ベレー帽を被っていたが、実は、ブンカーの垂れ幕を染め直して、1週間ほど前に仕立てたものだった。左腕のハーケンクロイツの腕章も、新しく作り直したものだ。

 私達を乗せた3台の車は、EKMのトンネルを抜けて日本人技術者の家族の居住地である小さな町へ出た。

 道路沿いには、立派とは言い難い木造の家が点々と続いている。

 その中を、先頭に技術士官、真ん中がエーリッヒ少将、最後尾に私達を乗せた車の列が、通って行く。

 車から見る日本の春は、秋の紅葉と同じように色彩が豊かで驚かされる。祖国の春は緑のイメージが強かったが、日本の春は花の色だ。

 水田のあぜ道に咲く黄色の菜の花、薄紫のレンゲ草、そして圧倒的なのが、まさに枯れ木に淡紅の花を山ほどつけた並木道だ。

「これが、桜ですよ。ちょうど満開だ」助手席に座る松田が言う。

「とてもきれい。でも、どうして……」命の美しさしか感じないこの桜が、どうして日本人を死へと誘う象徴ともなるのか、それが分からなかった。

「2週間後にまた見に来てみようか。別の美しさに驚きますよ」松田が言う。

 グレーテがドイツ語で囁く。

「Hanna, warum gibst du ihm keine Antwort?(ハンナ。どうして返事をしてあげないの?)」

「Warum denn? Du könntest ihm doch selbst antworten.(どうしてって、あなたが返事をすればいいんじゃないの?)」

「Verstehst du nicht, warum Matsuda in unser Auto gestiegen ist, obwohl das der Ingenieure vorne fährt?(技術者の車は先頭なのに、Matsudaが私達の車に乗ってきた理由がわからないの?)」

「Vielleicht, weil im vorderen Wagen kein Platz mehr war?(先頭の車にはもう乗り切れないからじゃない?)」

「Hanna, manchmal bist du wirklich ein bisschen begriffsstutzig.(ハンナって、ちょっと鈍いところがあるわよね)」

「Frau Margarete, ich danke Ihnen für Ihre Fürsorge.(マルガレーテさん。お気遣い感謝します)」松田が少し照れくさそうな声で言った。

 その後は、気まずい沈黙が続いた。

 初めて知ったが、松田はドイツ語ができるらしい。でも、そんなことよりも、2週間後に桜を見に行こうって話はどうなったのかしら?

 鈴鹿の航空隊の周辺にも桜が並んでいる。日本という国すべてが桜に包まれたような印象すら受ける壮観さだ。

 司令部の入口には、鈴鹿航空隊司令官の副官と名乗る将校が敬礼の姿勢で待っていた。会議室までの案内役だという。外套を羽織ったエーリッヒ少将は、彼のすぐ後ろをついて行く。

「少将、暑いんじゃないですか?」

 グレーテが親しげに話しかけている。

「日本の3月は暖かいんだね。失敗したかな。しかし、私は見た目を大事にする性分だからね。いかにも第三帝国軍人って感じだろう?」

「ええ、様になっていますよ」

「表情は崩さずに歩きなさい」

 グレーテ。少将は同族どうしでの結婚をする気はないのよ。


 鈴鹿航空隊司令部の会議室には、すでに日本陸海軍の幹部が揃っていた。私はできるだけ澄ました表情をしようと心がける。

 部屋の中心に、飛行機のようなロケットのような、不吉な印象を受ける大きな模型が置かれていた。

 しかし、動揺した様子は見せないように、指定された席に私達は座った。

 エーリッヒ少将は日本陸海軍の幹部たちとはすでに顔見知りのようだった。階級は同じく少将らしい。

「小島少将。昨年、貴殿がまとめた神風特別攻撃隊の報告書は、スイスのベルン公使館経由で貴国にも伝わっているようだ。貴国ではエルベ特別攻撃隊が編成されたらしい。これは複数のルートから得た情報なので、信憑性は高い。だが、なぜだね?」

 日本陸軍少将が言った。私は、驚きを隠すのが精一杯だった。エーリッヒ少将に伝えるグレーテのドイツ語の声も、心なしか震えているように思えた。Sonderkommando Elbe(エルベ特別攻撃隊)は話の流れから言うと、Kamikazeのように聞こえたからだ。

「なぜと言いますと?」エーリッヒ少将が表情を変えずに聞き返す。

「貴国は、キリスト教国なのだろう?自ら散るとは地獄へ落ちるという教えがあるのでは?」

「はい、大罪です。ですので私の報告書では、神風特別攻撃隊は対艦船用の作戦だったとの事実だけを述べました。祖国には、そのような戦場はありません」

「しかし、小島少将。貴殿の報告書には、連合軍爆撃機への体当たり攻撃を貴国内で推し進めようという狙いもあるように受け取ったが、違うかね?」

「一兵卒ではなく少将からの報告ですからね。そのように考える者が出てくることも想定はしています。祖国で神風特別攻撃隊を適用するとしたら対爆撃機になること。爆装すると連合軍の高速爆撃機には追いつけないこと。だから、爆装はせず、極力身軽にして体当たり攻撃に特化すること。祖国の戦闘機には射出座席が装備されています。ですから、体当たり直前に脱出すれば良いこと等を、神風特別攻撃隊から祖国が学びうる戦術的可能性として触れました。しかし、あくまで生還を前提とした戦術です」

 エーリッヒ少将は私の方を見て、通訳するように促した。やや、技術寄りの話がでていたからだ。さらにエーリッヒ少将は続ける。

「我が第三帝国には、大型爆撃機用の迎撃機Me 262やMe 163があります。しかし、空襲激化のせいで、工場が破壊され生産が追いつかないと聞いています。少しでも、連合軍空襲の足止めを行うことが先決なのです」

 私は通訳をしながら、エーリッヒ少将が自殺攻撃を推奨したのではないのだなと、少しだけ安心した。体当たり攻撃の危険性など、私には想像できなかったからだ。

「小島少将。エルベ特別攻撃隊の生還率は極めて低いのではないですか?爆撃機に肉迫してからの脱出など、現実的には非常に困難であり、射出座席は脊椎損傷など操縦者に後遺症が残る影響も無視できません。生還率は何%位と考えていますか?」

 今度は日本海軍少将がエーリッヒ中佐に質問してきた。これも、私がドイツ語に通訳する。

「良くて10%、おそらく5%程度」エーリッヒ少将が答える。

 え?それでは、Kamikazeと変わらないではないか。

「あなたの報告書の最後の文、たしか〝空襲で焼かれた母を、子を思え!〟でしたね?心に染み入るものがありましたよ」

 え?エーリッヒ少将が、本当にそんな報告書を書いたの?

 日本のように国のためや愛する者を守るためではなく、報復のために散れというのは、扇動的すぎるのでは?

 本来の任務とは逆に、日本人の思想をさらに先鋭化させ、第三帝国へと流し込もうとしているようにしか思えないじゃない。

 私は心のなかで思いを巡らせたが、その考えは落ち着く場所を見つけられずにいた。エーリッヒ少将の本心がまるで見極められない。

 私が考え込んでいる様子に気づいたグレーテが、かわりに通訳する。グレーテの指先がわずかに震えているようにも見えた。

「私は祖国が戦争を続け、少しでも良い条件で講和できるのであれば、そういった戦術を取る覚悟が必要だと示唆したまでです。ある意味、祖国の覚悟を試してみたとも言えます。……が、もし、エルベ特別攻撃隊が実戦に投入されて、多くの若者が命を落とすことになったら、私は自分の罪深さに苦しむことになるでしょうね」

「小島少将は、貴国が戦争に負けると考えているわけですね?」海軍少将がエーリッヒ少将を探るように聞く。

「そのように考えています。貴方がたも、そのように分析されているのではないですか?」

「そうですね。なかなか正確は情報が掴めませんが、連合国の通信や公表された情報、貴国との暗号通信の頻度、中立国からの情報等を総合すると、早ければあと数か月でドイツは降伏せざるを得ないと考えます」

「それで、今日の会議の主題は何でしょうか?」エーリッヒ中佐が尋ねる。

質問には陸軍少将が答えた。

「もう、殆ど入っているかな。目下のところB-29の空襲の激化によって、我が国も工業生産力が壊滅状態にある。つまり貴殿の祖国と同様の状況、あるいはもっと悪いかもしれない。そこで、B-29を効率的に落とし、空襲の足止めをしたい」

 海軍少将が、席から立ち上がり、私がずっと気になっていた模型に近づいていった。それは薄い緑がかった灰白色をしており、小さな風防がある。ジェットエンジンを外したHe 162に、少し似ている。短い翼を持った機体のやや後方に日の丸、前方に赤く縁取られた桜の花が描かれている。

「これは、『桜花』と言います。その模型です。つい先日、実戦投入されました。人間の操縦するロケット推進式特攻兵器です」海軍少将が続ける。

 窓の外には満開の桜が見える。美しい景色だ。

 桜の淡い紅色は、驚くほど繊細で、まるで空気に溶けてしまいそうなくらい美しい。

 そして、部屋の中には、同じ花の名をつけられた不吉な模型がある。

「着陸装置がありませんね」エーリッヒ少将が呟くように言った。

「目標に近づくまでは、一式陸上攻撃機に吊るしておきます。目標を見つけて発射されると、操縦者が角度の微調整を行いながら敵艦船に突入します。ですから、戻ってくることはできません。しかし、先日の初陣では『桜花』が重すぎて一式陸上攻撃機の速度が出ず、全滅でした」

「爆弾は機首に装備するのですか?対艦船用ですと、相当重いのでは?」

「1500Kg爆弾です。そこで、我々は一式陸上攻撃機に吊るすのではなく、本土決戦用にカタパルト基地を設けて敵機動艦隊へ突入する案を考えています。そしてもう一つ。機首の爆弾を200Kgにしてロケット燃料を増やし、対B-29迎撃用の『桜花』も検討中です。B-29の侵入高度8000mまでなら2分程度で到達します。貴殿の報告と同じく、我々も空襲の足止めを行いたい」

「つまり、これをEKM、失礼。特試で開発しろと?」

「いえ、これは大日本帝国海軍が開発します。特試にお願いしたいのはMe 163コメートの特攻機仕様の開発です。『桜花』は操縦性に乏しく、B-29がカタパルト基地を避けて侵入してきたらどうにもできません。B-29が避けられないように、国内の要所要所にカタパルト基地を配置するには時間が掛かるでしょう。その点、Me 163はロケット戦闘機としては驚くほど操縦性が良いと聞いています」

「Me 163の機銃を外して、爆弾に付け替えろということですか?」

「そうです。機体を軽くするために着陸用のソリも外します」

「それは……。必ず死ぬことを前提としている。もはやMe 163ではない……」

「小島少将。大日本帝国陸海軍でも『秋水』という名前でMe 163を原型としたロケット戦闘機を開発中なのはご存知だろう?しかし、まだ試作機すらできていない。すでに完成しているMe 163がある特試で特攻機仕様に改造し、その技術を日本の工廠へ移し量産化できれば大変効率が良いし、彼らも我々を認めざるを得なくなる。なお、機体名称はMe 163『秋花しゅうか』とするつもりだ」陸軍少将が言う。

 EKMの存在を好ましく思っていない勢力もあって、Me 163やMe 262を単独で開発中だと、以前少将から聞いたことがある。私たちが、危険思想を持っているとみなされれば、排除の動きに転じる可能性が高いとも……。

「対B-29用『桜花』のカタパルト基地建設が進めば、『桜花』と『秋花』でB-29の空襲を足止めし、Me 262やHe 162の量産計画も現実性を帯びて来るでしょう。特試ほどの性能は出せなくてもB-29には十分な脅威となるはずです」海軍少将が言う。

「しかし、神風特攻隊は志願制だったのでは?命を湯水のように使えますか?」

 エーリッヒ少将の疑問に、ふたたび海軍少将が答えた。

「今、我が国では全軍特攻方針を計画中です。近い内に決定するでしょう。表向きは志願制を続けますが、特攻部隊へ配属されれば事実上の強制です。そうなると国は命をいくらでも使えることになる。貴殿が祖国を試したように、これが現実です。戦争では、国力の低い国は命という資源を使うしか無いのですよ」

 こうして、エーリッヒ中佐はMe 163コメートの『秋花』への改造を飲むことになった。

 全軍特攻という恐るべき考えに日本が傾いているという事実、EKMで特攻機を造らなければならないという現実、なによりもエーリッヒ少将が祖国に特攻戦略を採るようにそそのかしたという策略、すべてに驚いていた。

 はたして、私は感情を表さないように出来ただろうか。グレーテはどうだったか。私には彼女を観察する心の余裕すらなかった。


 EKMに戻り、まずエーリッヒ少将の執務室へ向かった。本心を確かめたかったからだ。

「やあ、ハンネローア。うまく出来ていたよ。それに比べてマルガレーテは時々声が震えていたね」少将の隣室で今日の会議録を作成していたグレーテも呼んで、同席してもらった。

「あの時、撃っていれば良かったと思ったかな?」

 穏やかな声で私に問いかけるエーリッヒ少将は、しかし、感情の読めない表情をしている。

 エーリッヒ少将の執務室の隅には、決して贅沢とは言えない応接用のソファと机がある。そこにグレーテと座ってエーリッヒ少将と向き合う。

「『秋花』か、美しい名前をつけたもんだね。日本で秋の花というと何になるのかな?」

「あきざくら(秋桜)だと、日本人技術者が言っていました」私は憮然とした態度でエーリッヒ少将に答える。普通の軍隊ではありえない光景だが、EKMという特殊な空間のせいなのか、エーリッヒ少将のあえて距離感を縮めた話し方のせいなのか……。だが、それはどうでもいい。

「エーリッヒ少将。どうして祖国にSonderkommando Kamikaze(神風特別攻撃隊)の有効性を提案したのでしょうか?」

「提案はしていない。事実と戦術的可能性を述べただけだよ。ただ、私の報告を見て、我が第三帝国がどうするか試してみたかったという気持ちはある」

「そんな興味本位で?」

「興味本位ではない。戦争とは殺人と暴力、そして自己犠牲を国が許可した組織的行動だ。キリスト教倫理と国家暴力の矛盾だな」

「エーリッヒ少将!」

「ただ、実際に戦っている軍人たちは、明日死ぬかもしれないと思いながらも、自分だけは生き残るとも考えているはずだ。そんな中で、ほぼ死ぬだろう作戦が与えられた時、キリスト教倫理は命をどう扱うのか。Sonderkommando Elbe(エルベ特別攻撃隊)の責任を誰が取るのか。成功したら何度も同じ特別攻撃を繰り返すのか。参加する者たちは何のために命をかけるのか」

「エーリッヒ少将は日本人になると言い、私たちにも同化しろと言いましたね。でも、祖国の人々は日本人とは違います」

「そうだな。日本人のように死を美化できない者は、どんな理由で死ぬことがふさわしいのだろうか?どう思う?」

「分かりません」

 私に、答えが見つけられるわけがないし、答えられるわけがない。

 私は、死をずっと恐ろしいものだと考えてきた。ましてや自ら死を選ぶなどという行為は宗教観に反することだと信じてきた。日本人と接するまでは……。

 だが、私は知っている。日本人だって、死の恐怖を克服しているわけではない。その恐怖を打ち消すために、死を美化するしか無かったのだ。

「死にふさわしい理由……。それは、報復だ」

「エーリッヒ少将!あなたは何がしたいのですか!本当のところを教えてください」

「悪い。こんな宗教倫理と国家の矛盾の話は屁理屈だ。神風特別攻撃隊の戦術的優秀性に心酔したふりをして祖国に報告し、日本軍部の信頼を得ることが目的だ」

「え?」

「私のやりたいことは、すでに君には話したよ。『尊敬される人々』による暴走なき民族主義の理想国家を築くことだ」

「抽象的すぎます」

「そうかな?……そうかもな。私は自分の正義を貫こうと行動してきた。だが最近、それだけで動いているわけではないことに気づいたよ……。もっと簡単に言おうか。私は、君たちが幸せに生きていける未来を創りたいだけだ」

 そう言うとエーリッヒ少将は、一瞬だけグレーテを見て、また視線を私に戻した。

「そのためになら、私は悪魔にだってなるつもりだよ」

 ああ、つまり、グレーテを守りたいということなんだなと理解した。

 しかし、それはとても人間らしく、十分すぎるほど誠実な理由だとも思った。

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