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壬生狼チャンバラ  作者: 燎 空綺羅
序章 第三話 一徹の鬼
23/54

3-10

 その頃、五稜郭。

 榎本武揚は、新たな武蔵国とタイ、ベトナム移民問題に追われ、大好きなビールどころではなく。過労からデスクで倒れるように寝ているところへ、部下が平間を連れて、慌てて毛布をかけた。

「榎本さん!目を覚ましてください!せめて酒で身体を温めていただきたい!蝦夷地で寝落ちは不味いです!凍死しますよ!」

「忙しくて、あぁ、寝てしまったからまだ忙しいのか……そこにいるのは、平間君かね?芹沢さんと、土方君は、動いたのか?」

 平間重助は、榎本武揚を安心させるべく告げた。

「土方君側から来ました。局長に芹沢さんを、副長に土方君がつくと。土方君は死なないと。今度は土方歳三の生き地獄では無く。新しい出発地点は、土方歳三に報いのある道への旅路……丸く収まったと言えますよ。榎本さんは、たいそうご心配になられた。芹沢さんが、直ちにわたしを遣わしたのです。」

 榎本武揚は目を細めた。

「土方歳三に、報いのある再出発、か……。わたしは、我が身の未熟さに気づかされたよ。わたしは土方君にたいそう助けられたのだ。初め、わたし達のリーダーに彼を勧めたぐらい、高く評価し、頼っていたよ。彼の背負うものすら、知らないまま……人間は、なんて多くのものを胸に秘めているのか。胸の中に小さな宇宙があり、散りばめられた星々の、ひとつひとつが、なんと大きな責任なのだろう……。蝦夷共和国を背負うわたしと、新撰組を背負う彼は、何も違わない。人とは、一見違う存在でも、皆が同じ試練に挑んでいる。いや。土方歳三は、人一倍過酷な死を、背負って来たのではないかね?」

 平間は、苦い顔をした。

「過酷だと思います、近藤勇を亡くしてからの、彼は。お星さんで言うなら、土方君にとって近藤さんは太陽だったでしょうが……その土方歳三の胸に集まった星々は、ひとつひとつが隊士達です。新撰組は、まだまだ集まりますよ。土方歳三の夢は、まだ終わっちゃあいない。」


 ここに幕閉じ壬生狼チャンバラ、新撰組は武蔵国の指揮下にくだり、晴れて朝廷側の組織に相成った。

 新たな局長、芹沢鴨に、隊士、原田左之助を迎え、想うは義兄弟・近藤勇への追悼歌。

 さて、次に死合いますは、如何なる人物になりましょうや。


 終劇

Copyright(C)2026 燎 空綺羅

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