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隣の席の美少女の獲物になってしまったぼくは彼女を小瓶で飼育することにした  作者: 猫の集会


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4/5

油断

 今日こそは、帰宅部エースは早く帰りたい。


 帰りの会が、そろそろ終わると勘付いたぼくは、フライング気味でバッグを背負っていた。


 すると先生がぼくをみて、クラス委員は放課後、話し合いなーと、お残り発言をしてきたじゃないかっ‼︎


「はーい」

 と、元気よく隣の人が言った。


 は?


「クラス委員は、ぼくなんですけど?」

「わたしも立候補したんだよ?よかったね、ゆうちゃん。わたしと放課後も一緒で」


 …


 この人は、いったいなんの目的でぼくをつけまわすのだろう…


 よっぽど小瓶飼育に頭きてるに違いない。


 なんとか、ぼくに仕返しがしたいのだろう。


 どうやって仕返ししてもらおうか…


 仕返しさえ終わってしまえば、もうぼくにつきまとわないはずだ。


 言ってしまった言葉は、取り消しがなかなか難しいから…


 うーん…


 どうにかして、美名川さんの怒りをしずめさえしてしまえば、もうぼくとのかかわりもなくなるってことだ。


 褒めちぎれば機嫌よくなるのかな?


 かわいいねとか、美人だよね?って⁇


 …いつも言われてそー。


 うーん…


「ねぇ、行かないの?クラス委員の集まり」

「えっ、ああ、行きます。」


 美名川さんの子分にでもなったかのように、美名川さんの後を追った。


 なんでぼくが、美名川さんについていくんだよ…


 あー、でも同じ教室に行くんだもんな。


 こればっかりは、仕方ないんだよね…。


「ねぇ…ゆうちゃんは、いつわたしのことあやちゃんって呼んでくれるの?」


 …


 美名川さんがぼくの方を振り返り、ん?って首をかしげた。


 ん?


 ぼくも首をかしげた。


 そんなの、呼ぶわけがない。



「なんで首をかしげるの?これは、鏡かなぁ?」

「そうかもね」

「へぇ」



 静かな学校ってなんか落ち着くようで、そうでない。


 ぶっちゃけ、薄気味悪い。


「あのさ、美名川さん」

「なあに?」

「なんでクラス委員なんて立候補したの?」

「それは…なんでも挑戦してみたいからかな」

「…ふーん。好奇心旺盛なんだね」

「そうかもしれないな。あ、てかさ…昨日のお礼に今度うちに来ない?というか、来て欲しいな」



 ⁉︎


 えっ、なぜ⁈


 はっ‼︎


 まさか、ぼくが魔女の餌食に…


 こわ…


 魔女に監禁されるとか、こわ…


 あ…


 え…


 監禁ってこわくね?


 いまさらだけど、ぼくは…


 ぼくは、美名川さんを怖がらせていたんじゃ…


 それで仕返しを企んでいたのか?


 いつかそんなお前を黙らせるって…こと?


 …


「あの、美名川さん…」

「どうしたの?」

「ぼく…ごめんなさい」


 …


「え、な…なんで?まだ告白してないのに、なんでごめんなさい?」


 …


 告白?


 なんのだよ⁈


 実は魔女でしたー‼︎って?


 それとも…魔法使い⁇


 …


「告白?」

「ああ、ううん。なっ…なんでもないよ。そうだよね…うちに来るとか、ないよね…ごめんなさい」


 …


 いや、もしかして家に行けば何かがわかるかもしれない?


 魔女なのか、それとも魔法使いなのか…


「行く。今日集まり終わったら、行きたい」

「え、今日?」

「うん」


 今日行けば、なんか秘密を見破れる可能性が高い。


 慌てて隠しても、隠し忘れたものとかでてきそうな気がする。


「今日か。うん!いいよ」


 …


 意外とすんなりだな。



 あとで後悔するがいい。



 …


 もしかして後悔するのって、ぼくじゃないですよね?


 …



 美名川さんは、きっと相当お怒りなのでしょう。



 だからぼくに懐いているフリをして、ぼくを陥れるつもりなのだろう。


 なぜぼくは、あんな嫌がらせ言葉スプレーを美名川さんに浴びせてしまったのだろうか。



 …


 いやいや、負けてたまるか‼︎


 ぼくだって、やるときはやる‼︎


 だってぼくの夢は、夢は…


 特にない。


 あー、夢なんてなかったわ。


 とにかく毎日いかに早く帰れるかって、それが生きがいみたいなものだったからなぁ。


 つまらんな。


 でも、とにかく今は負けられない。


 魔女だか魔法使いだかしらないけど、なぜか美名川さんとのバトルは、きちんと決着をつけなければならない気がする。


 気のせいかもしれないけど、それでもいい。



「ねぇ、見陰みかげくん」


 ⁉︎


 いきなり苗字呼びするとか、びっくりするだろう。


 そう、ぼくの苗字は見陰だ。


「なっ、なに?」


「ふふ、そんなに驚かなくてもいいじゃない?」

「いや、いきなり苗字で呼ばれたから…びっくりして」

「ゆーちゃんのほうがいい?」


 …


「いいわけない」

「へぇ。でね、ゆーちゃん」

「人の話、聞かないよね」

「へへ、でさぁ犬と猫どっちが好き?それともわたしが一番好き?」



 ⁉︎


 な…なんて質問を。


 …


「ワン」

「え?」

「ワンだよ」

「えっ、もしかして…犬のことワンちゃんって言ってる?かわいい、ヤバいね。かわいいー」


 …


「いや、犬一択って言いたかったんだけど…。いちとワンでさ…」

「そうなんだ?じゃあ、ワンチャンあげます。」


 ⁉︎


「アイス好き?」


 …


「うん」

「同じだね。わたしも愛す」


 ?


「え?なに?」

「ううん。なんかゆうちゃんといると楽しいな」


 …


 え、かわいい発言だな…って‼︎


 ほっこりしている場合じゃない‼︎


 めっちゃ美名川さんのペースじゃないか…


 危ない危ない…


 気を引き締めねば。

 

 

 続く。

 

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