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隣の席の美少女の獲物になってしまったぼくは彼女を小瓶で飼育することにした  作者: 猫の集会


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5/5

小瓶と金平糖

 突如、美名川さん宅へ伺うことになってしまった。


 いや、そもそもぼくが行くって言ったのだけど…


 いいのか?


 ほんとに今日の今日でいいのか?


 いや、いいんだ。


 美名川さんがいいって言っているのだから、いいのだろう。


 あ…


 まさか…


 美名川さん宅に、たくさんの小瓶があったらどうしよう…


 めっちゃこびとたちが飼育されていたりしないだろうな?


 …


 小瓶で飼育されるのは、あんただからって…なりませんよね?


 どうしよう…


 美名川さん宅にたくさんの小瓶がある可能性大です。


 だって…


 小瓶飼育発言した次の日、速攻で小瓶持参してきたよね?


 普通、小瓶って家に常備してあるわけなくない?


 …

 

 

 

 そんなこんなで、いざ美名川さんの家に到着して、おじゃました。

 

 お家には、ご家族不在だった。

 

 少しホッとした。

 

 というか、とにかくホッとした。

 

 だって…女子のお宅なんておじゃましたことなんか、一度もなかったし。

 

 さらには、女友達なんて…いたことなかったし、はじめての体験すぎて、パンク寸前だったんだ。

 

 さらにご両親がいたら、これはもう取り乱すに違いなかった。

 

 だから、不在でホッとしていたんだけど…

 

 …

 

 

 ぼくは、そのあとすぐに絶句した。

 

 リビングには、たくさんの小瓶が並んでいたのだ。

 

 …こんなにたくさん?

 

 でも、ひとつ安心したポイントがある。

 

 小瓶には、なんにも飼育されていなかった。

 

 

「あの、美名川さん…こんなにたくさんの瓶、どうして常備してるの?」

 美名川さんは、こちらを振り向きもせずに言った。

 

「それはもちろん、あなたを小瓶で飼育するためじゃない」

 と。

 

 えっ…

 

 ぼくは、まんまと魔女の家にとじこめられた。

 

 かと思って絶望していたら、美名川さんがクルッと振り向いて、

「なんちゃってね!でも、あの名言には、ドキッとさせられたよ。わたしって、いつもちやほやされてばっかりで、ほんとはウンザリしていたの。でも、見陰くんにはじめてあんなこと言われて、ものすごくドキドキしたの。今も」

 

 ?

 

「え?なんで今も?」

「だって…あ、そうそう。紅茶でいい?」

「あ、急におじゃましたし、お構いなく」

 

 ぼくの言葉が届いていないのか、美名川さんが手際よく紅茶とシュークリームを用意してくれた。

 

 シュークリーム…

 

 なぜだ?

 

 急にきたのに、ぼくの大好物があるなんて…

 

 やっぱり美名川さんは、魔法使いなのか?

 

 ドギマギしながら、紅茶をいただいた。

 

 ズズズと紅茶をすすると、美名川さんが微笑んだ。

 

 

「シュークリームも食べてね、ゆーちゃん」

 美名川さんがシュークリームを差し出してきた。

 

 これは…罠?

 

 小瓶といい、シュークリームといい…

 

 食べたら眠らされない?

 

 大丈夫そう?

 

「これね、わたしの手づくりなんだよ?ほんとは、まだ試作品だったの。見陰くんが来た時に、美味しいシュークリームご馳走したくてね。」

 

 …

 

「なんで…なんでなの?」

「それはもちろん…」

 

 …

 

 もちろんなに?

 

 仕返しのためとでもいう?

 

「好き…」

 

 ?

 

「あー、うん。シュークリーム好きって言ってたもんね」

「ううん、あれは合わせただけ。ほんとに好きなのは…金平糖とあなたです」

 

 えっ⁉︎

 

「ぼ、ぼく?金平糖とぼく?」

 

 どういうこと?

 

 金平糖⁉︎

 

 まさか…

 

 今からぼくは、金平糖にされて小瓶に詰められる⁉︎

 

 あんたんちの小瓶よりもうちの小瓶のほうが先に満タンになったって言われる?

 

 ぼくは、今から小瓶に詰め詰めされるんじゃ…

 

「ごめんなさい。いきなり好きとか」

 

 …

 

 よくわからなくて、視線を美名川さんから逸らすと、ふと台所に視線がとまった。

 

 …

 

 台所には、小瓶ではなく大瓶がたくさん並んでいた。

 

「あれは…」

「あー、これはジャムだったりはちみつドリンクだよ。趣味でお母さんと作ってるの」

 

 あー、だからたくさんの瓶が。

 

 じゃあ、美名川さんはぼくを小瓶に詰めるつもりは、なさそうだ。

 

「そういうことねー。ならよかったー。」

 

 ってさ…

 

 さっき好きって言ってなかった⁉︎

 

 あれ?おかしいな…

 

 金平糖を好きなんだっけ?それとも…シュークリーム?え、ジャム?

 

 …

 

「あの…好きなのって…」

「あなたです」

 

 ⁉︎

 

 やっぱりだ。

 

 聞き間違いじゃなかった…

 

「なんで…」

「わたしのこと、ちやほやしないでしょ。それに、はっきり言ってくれるそういうところがいいなって」

「あー、要する変態なんだ?」

「あはは、うん。そうかもしれない。わたし変態なのかも…」

「いいんじゃない?ぼく、うまれてはじめての彼女が変態なんて、ゾクゾクするわ」

「…えっ?彼女にしてくれるの?」

「それは、こっちのセリフだよ。こんな可愛らしい人が魔女でも魔法使いでもないのに、ぼくを好きになるなんて奇跡としか思えない」

「大げさだよ」

 

 …

 

「美名川さん、ぼく…いまさ、もらった小瓶に金平糖ためているんだ」

「へぇ、なんで?」

「はじめは…美名川さんが敵だと思ってて…復讐できたらひとつずつためるつもりだった。でも、今は違う。ぼくの大切な彼女だ。だから、これからは、美名川さんを好きって思ったら、金平糖をひとつ瓶に詰めようと思う。だけどね…ムリそう」

「え……それは、やっぱりわたしを敵としか思えないってこと?」

「ううん。金平糖がもう満タンになって溢れちゃうなって」

「ほんと?」

「うん、はじめからぼくは美名川さんが気になっていたんだ。かわいすぎて、小瓶で飼育したいなぁって」

「あれは、本気だったんだ⁉︎」

「うん、だから…ぼくも変態なんだ」

「あはは、変態カップルいいじゃない」

「だよね、よろしく。変態」

「うん、よろしく。変態♡」

 

 

 変態カップル愛が小瓶から溢れちゃうので、蓋はきちんとしめましょうね♡

 

 

 

 おしまい♡

 


 

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